家庭の製パンで最大の難易度があるパンがクロワッサンです。
作ってみたもののいまいち満足いく仕上がりにならないパンでもあります。
今回はなぜか難しいクロワッサンの考え方について解説をしていきたいと思います。
クロワッサンとパイの違い
クロワッサンとパイは似て非なるものです。
クロワッサンはイーストを使って発酵をさせているので、クロワッサンの旨味はバターの旨味と小麦の旨味、そして発酵した旨味の三重奏によって成り立っています。
バターはそれだけで風味が強く際立つものですが、発酵の香りは時間をかけなければ生きてきません。
クロワッサンを美味しくつくる大前提として抑えておきたいのはきちんと発酵をさせるということです。
生地作りの注意点
クロワッサンのバターが入る前の生地をデトランプと言います。
デトランプは準強力粉や薄力粉を配合させたりして、タンパク質含有が少なめの粉を使います。
タンパク質が多いと生地をもっちりさせる成分のグルテンも多くなるので、サクサク感が出しにくくなってしまいます。
クロワッサンのよい食感やバターの折り込みをスムーズに進めるためには、グルテンの引き締まりをなるべく作らないこととの戦いになります。
こねる時は生地に粉っぽさがなくなり、やっとまとまるところでストップします。
やりすぎるとその分グルテンもできてしまうからです。
また、バターを折り込む時に麺棒で圧力を加えると、それがこねるのと同じ役割をしてくれるので、こねる作業はほとんど必要ないのです。
バター折り込みの注意点
バターを折り込む時に一番大切なのは生地がきちんと冷たい状態であることです。
冷たい状態でないと生地は伸びていきません。
生地が伸びるうちはそのまま続けて伸ばしていきますが、どこかのタイミングで伸びても縮んで伸びなくなるタイミングがきます。
その時が生地を休ませるタイミングなので、冷蔵庫や冷凍庫で最低1時間は生地を休ませます。
生地は時間をおくとグルテンが緩まるのでまた伸びるようになります。
この原則を覚えておくとバターの折り込みはうまくいきます。
また、折り込むバターの状態はカチカチすぎないこと。
固すぎると伸ばしている途中で生地の中でバターが割れてしまうからです。
生地をカットする時の注意点
生地をカットする時は鋭い刃物で一気にカットします。
また、カットした断面は触らないことです。
触ってしまうと生地同士がくっついて綺麗に層にならないからです。
カットした後の生地を巻く時はゆるーく巻きます。
バターを折り込んでいる生地は特に焼いた時に膨らみます。
ゆるーく巻くことで綺麗にボリュームを出すことができます。
もちろん、ボリュームが出やすいパンなので焼く時の並べ方もパン同士の間隔を十分に取っておく必要があります。
まとめ
パンの特徴や工程を一つ一つ知ると注意点するところもわかってきます。
パン作りの考え方は職人一人一人違って正解があるものではないですが、意識が変わると仕上がりも変わるので、ぜひ参考にしてみてください。