「手ごねのパン」そんな響きに憧れて手ごねでパンを作ってみたのはいいものの、初めのころは多くの疑問を抱えながら作る方がほとんどです。
「どんな風にこねればいいんだろう?」
「どのくらいこねればいいんだろう?」
「これであっているのかな?」
そんなことを思ったことはないでしょうか。わからないまま、なんとなく工程を進めていても実際にパンは完成させることはできます。わからないながらも苦労して作ったパンは愛着も湧くし、達成感も大きいですよね。それにはとても共感ができます。
でも、確実に言えることが一つあります。それは、パン作りの工程の意味をきちんと知って、工程の一つ一つをきちんと丁寧にやってあげるで、今よりもずっとおいしいパン、きれいな形のパンが作れるようになります。
今回の記事では、パン作りにおける一番大事な工程のこね方について解説をします。
なぜ、パンはこねるのか?
パンをこねる作業の目的はパンをふっくらと仕上げ、ボリュームを出すためにあります。
小麦粉に水分を加えて、力をかけてあげると、グルテンという成分が作られます。グルテンはネットのような構造をしています。その働きは、
1、イーストの発酵させるガスを生地の中に閉じ込めて、パンがよくふくらむようにしてくれます。
2、生地同士のつながりがよくなると、パン独自のもっちりとした食感を作ってくれます。
こねなくてもパンは作れますが、フワフワ感やボリューム感が乏しく、生地が凝縮しているので、重たい食感になってしまいます。
パンをこねることは、フワフワした軽い食感とぷっくりと膨らんでボリュームのある仕上がりには欠かせないのです。
こね方の見極め
「どれくらいまでこねればいいか?」それを見極める3つのポイントがあります。
1、生地の表面がつるつるしていて光沢がある。
こね初めの生地は小麦の塊がまばらにできていて、表面はぼつぼつとしています。こねても手にくっついてべたべたで一番手間のかかる作業です。それが次第に「びよーーん」と生地が伸びるようになり、台離れもよくなってきます。(ここまでで来るのに大体10分くらいです。)それから少しするとぼつぼつ感がなくなりつるんとしてきます。
2.生地を薄く伸ばして、反対側が透けて見えるようになる。
グルテンがきちんとできていれば、生地は簡単にちぎれることはありません。生地を伸ばしてみて、薄い膜が張らずにちぎれてしまうようであれば、こねが足りません。ここの見極めは下の動画で確認してみてください。
3.こね上がった生地は指で押すと弾力があり、押した跡がほとんど消える。
以上の三つのどれかが当てはまればしっかりとこね上がっている証拠になります。1つ試して、いまいち分かりにくければほかの2つで確認してみてください。