パン作りと水の関係

パンを手作りできるようになると、材料にもこだわりを持つようになります。

そこで今回はパン作りと水の関係について記事を書こうと思います。


水の働き


1.小麦おいしく食べられる状態にしてくれます。

小麦もお米と同じで、水分を含ませて加熱してあげると、ふっくらとしておいしく食べられる状態になります。(糊化といいます。)適度な水分がないと、もちもちした食感ができません。クッキーのような硬いものになってしまいます。

2.グルテンができるようになります。

小麦中にはグリアジンとグルテニンというタンパク質があります。この二つのタンパク質は水を加えて捏ねてあげるとグルテンという網目状を作ってくれます。これが焼きあがったパンを支える骨格になるのでパンのもっちりした食感を作ってくれます。このグルテンを作るという意味でも水分は大切な要素になります。

3.酵母の発酵しやすい環境を整える。

酵母が発酵する条件は、「水分」「温度」「ph」です。水分が少なければイーストは活発に発酵してくれません。


どんな水を選べばいいのか?


水と一言で言っても、たくさんの種類があるので、パンの種類に応じて水を選べるように解説していきます。

・ハード系のパンは硬水

ハード系のパンの特徴として準強力粉が多く使われます。準強力粉はグルテンが作られにくい生地なのでまとまりにくく柔らかいのが特徴です。柔らかい生地をまとめるのに適しているのが、硬水です。硬水はミネラル分が多く、生地を引き締める効果があるからです。柔らかい生地ほど硬度の高い水を使いましょう。

・ソフト系のパンは軟水

反対に強力粉をメインで使う生地の場合には、グルテンがしっかりと生地を引き締めてくれるので、水の硬度はあまり必要ありません。硬度が高く生地が引き締められすぎると、膨らみにくくなってしまいます。つまり、形をきれいに焼き上げるには高度60前後の軟水がよいとされています。


水道水はだめですか?


水道水でも問題なくパン作りができます。

ちなみに日本の水道水は硬度が30~50くらいです。

 


今回の記事はちょっとこだわってパンを作ってみたいという方向けに書いてみました。

参考までに市販されているミネラルウォーターの硬度をまとめてみました。

 


コントレックス(硬度1468)

よりタンパク含有の少ないパン向きです。生地が本当にまとまらないときに使います。

ゲロルシュタイナー(硬度1310)

エビアン(硬度304)

フランスの水道水に近い硬度です。より本場風にフランスパンを焼き上げるときにお勧めです。

ボルヴィック(硬度60)

一般的なしっかりこねる生地の時に、きれいな形で焼き上げることができます。

家庭で作るパンに万能で使える水です。

 

南アルプスの天然水(硬度30)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です