たった10分ほどのベンチタイムの時間。パン作りを始めた当初の私はその時間をとてもわずらわしく感じ、本当にこの時間は必要なものなのかと思ったのを覚えています。
そして、今回の記事では、どのレシピにも書いてある謎の数分(ベンチタイム)の必要性についてわかりやすく解説していきたいと思います。これが分かるようになるともっとパン作りは楽しくなります。
ベンチタイムは何の時間なのか?
結論から言うと、ベンチタイムはパンの形を整えるための前準備の時間です。
実はパンの生地は、一次発酵が終わってからガスを抜いたり、分割したりすると、大きな負荷がかかります。その過程のなかでグルテンが大きく動かされてしまうので、グルテンは強化されます。つまり、分割されたばかりの生地は弾力が強くなっている状態なのです。
ここで生地を休ませずに成形をしようとすると、なかなか思うように生地が伸びてくれません。それでも強引に生地を伸ばしてしまうと、生地を傷つけてしまい形の悪いパンになってしまいます。
ベンチタイム中に何が起きているのか?
ベンチタイムは実は発酵の過程の一部です。生地が発酵していくということは、イーストが発生させるガスが生地の中に溜まっていくということです。ガスがグルテンのつながりの間にできると、グルテンを押しのけて膨らんでいくので、生地が緩んでいくことになります。
そうしてベンチタイムを置いてあげたハリのある生地は、少しずつぷにょぷにょの状態に変化していきます。
ちなみにベンチタイムの時間は、生地を長く触れば触るほどグルテンが引き締まるので長くしなくてはいけません。
実はパン作りはこのハリと緩みのバランスを整えてあげることが、パンをきれいに焼き上げる一番のポイントになるのです。
ハリの強すぎる生地は焼いてもボリュームが出にくく、フワフワ感も弱くなって中身が引き締まったパンになります。
反対に、緩みすぎたパンではボリュームは出やすいのですが、自分の重さを支える力がないために、焼きあがったあとに折れたりしぼんだりしてしまうのです。
その調節をベンチタイムや二次発酵で調節してあげることが大切なのです。
結論
ベンチタイムは生地を程よく緩めてくれる時間なので、きれいに成形するには絶対に必要!