加糖中種子法とは、砂糖を入れた発酵種を使って作る製法のことを言います。
発酵種に砂糖を入れて作ると、砂糖がイーストの栄養になるので早く発酵が進み、早く中種ができるというメリットがあります。
また、その一方できちんと発酵種の管理ができていないと過発酵になりやすいというリスクもあります。
加糖中種法と相性の良いパン
日本の菓子パンと相性がいい製法です。

日本の菓子パンは一般的に20~30%の砂糖を生地に使って作ることが多いです。
程よい量の砂糖はイーストの発酵を促進しますが、多すぎる砂糖はイーストの細胞から水分を奪うので発酵しにくくなってしまいます。
加糖中種法は中種に前もって砂糖を入れて発酵させておくことで多くの砂糖を加えても発酵がスムーズにいくようにすることができます。
もちろん、ストレート法で一度に砂糖を加えてパンを作ることも可能ですが、その場合はイーストを多めにする必要があります。
(多すぎるイーストはパンの風味を損なうので、オススメはできません)
加糖中種法のメリット
この製法は砂糖を多く入れるための製法とも言い換えられます。
砂糖がたくさん入るパンは、甘さがつくだけでなく、砂糖の保水性や保存性などの性質が強く働きます。
つまり、日持ちしやすく乾燥しにくいパンを作ることができます。
加糖中種法の手順
1、加糖中種を作る
生地に使う粉な量の50%以上の粉と、5~15%程度の砂糖、30~40%くらいの水分を入れて混ぜ合わせます。
こねて生地をまとめたら、常温で3時間発酵させるか、常温で30分発酵させた後に一晩冷蔵庫で低温発酵させることで使える状態になります。

加糖中種のポイントは水分を少なめにして生地を作ることです。
砂糖は生地から水分を引き出す性質があるので、水分量を多くしてしまうとベタついて扱いが大変になります。
2、本捏ね生地
加糖中種生地に、残りの粉や塩、砂糖などを加えていきます。
塩は発酵の妨げ、バターなどの油脂はグルテンの成形を妨げるので、それらは発酵種が完成してから加えていきます。

生地がまとまるまで捏ねていきます。
3、一次発酵〜
生地が完成してからはストレート法との流れと一緒で、成形〜ホイロ〜焼成と進んでいきます。

加糖中種を使ったメロンパンのレシピ
加糖中種
- 強力粉(70%)
- 白神こだま酵母(2%)
- 砂糖(10%)
- 水(40%)
本捏ね
- 強力粉 (30%)
- 塩( 1%)
- 砂糖 (15%)
- 白神こだま酵母 (1%)
- 卵 (10%)
- 水 (10%)
- バター (5%)
クッキー生地
- バター (24%)
- 砂糖 (44%)
- 卵 (20%)
- 牛乳 (8%)
- 薄力粉 (108%)
- ベーキングパウダー (1%)
6個分
- 140g
- 4g
- 20g
- 80g
- 60g
- 2g
- 30g
- 2g
- 20g
- 20g
- 10g
- 48g
- 88g
- 40g
- 16g
- 216g
- 2g
作業工程
1、加糖中種作り(25℃で30分発酵〜冷蔵庫で12時間低温発酵)
2、クッキー生地を作る(完成後冷蔵庫で1.5時間〜寝かせる)
3、完成した加糖中種を本捏ね生地と合わせる
4、一次発酵(35℃で30~40分発酵)
5、パン生地を分割(6等分)
6、ベンチタイム (10分)
7、クッキー生地を分割(6等分)
8、成形
9、二次発酵(35℃で30~40分発酵)
10、焼成(180℃ 15~18分焼成)