日本には四季があり、一年を通して様々な環境でパンを作る環境は変わってきます。
そこで、今回は気温の高い時に注意すべきことを解説していこうと思います。
1.水分量は少なめが作りやすい
とくに夏の生地は湿度が高く小麦粉も冬よりも湿気を含んでいます。
レシピ通りの水分量で作ったとしてもいつもよりベタベタすることがあると思います。
雨の日や湿度の高い時には10ccほど水を少なくしてこね始めるのがいいでしょう。
入れてしまった水は取り出せませんが、少ないと感じたら後から入れることはできますので。
2.生地の温度を上げすぎない
生地の温度が高くなってしまうと、ダレてベタベタしやすくなります。
頑張ってこねてもいつまでもまとまらない状態です。
生地の温度は、多く使う小麦粉や水の温度に大きく左右されます。
とくに気温が高い時などは、あえて冷やした小麦粉を使ったり、冬場は温めて使った仕込み水を温めないで使うことも必要になります。
生地の捏ね上げ温度は24度が理想
ということを頭の片隅に入れて生地をこねましょう。
(いちいち温度を測りながらこねるのは手間なので、温めすぎないということだけ意識しましょう。)
3.過発酵に気をつける
気温が高い時はとくに発酵が進みやすいです。
発酵中にウトウトなんかしようものなら、あっという間に超BIGになってしまいます。
過発酵になった生地は必要以上にアルコールが発生するので、ツンとくる香りが生地からしてきます。
また、イーストの活性のピークが終わっているので焼いても膨らまないパンになります。
過発酵になってしまったら戻すことはできないので、時間をきちんと守って発酵をさせましょう。
フィンガーテストで見極める
発酵を見極める方法にフィンガーテストがあります。
生地がくっつかないように小麦粉をつけた指で生地に穴を開けて判断します。
発酵不足:生地に固さがあり、指の穴がすぐに塞がる状態
発酵適正:適度な柔らかさがあり、指の穴がそのまま残る状態
過発酵:生地がふわふわで弾力がなく、指で穴をあけると生地全体がしぼんでしまう状態
まとめ
夏は生地の発酵が早く発酵器などの機材がなくても手軽にパンが作れる季節ですが、生地の扱い方を工夫しないと、パン作りそのものがストレスになりかねません。
楽しく美味しいパンを作るために、夏バージョンのパンの理論を頭の端っこに入れておくと役に立つと思います。
この生地が皆さんの素敵なパンライフのヒントになればこれ以上に嬉しいことはありません。
by 完全感覚ベイカー