パン作りに必要な材料

パンの最低限の材料


  • 小麦粉

小麦粉に水を加えてからよーくこねていくと、ねばねばしてきて、次第に弾力が出て、まとまってきます。

この水でこねてまとめた小麦粉を焼いたものは広い意味でパンとしています。

なので、膨らんでいなくてお煎餅みたいな小麦の焼いた出家のものパンというわけです。

そこに酵母が入ることで私たちが普段見慣れているふっくらと膨らんだ、風味豊かなパンが仕上がります。

一般的に製パンで使う小麦は「薄力粉」「中力粉」「強力粉」に分類されます。


パンがふっくらと膨らんでその形をキープするためにはグルテンという網目状の成分が必要です。グルテンは薄い膜状になっていて、酵母の作ったガスを閉じ込めて生地を膨らましてくれます。グルテンはパンの膨らみ方や食感そのものと言っても過言ではないです。だから、グルテンを作るためのこねる作業はパン作りの中で一番重要なんですね。

その、小麦粉の中のグルテンを作るのに水が必要というわけです。小麦粉の重量の70-80%の水分を加えてこねてあげることで、グルテンが薄い膜を作ってくれるのです。

あと、水分はパンにふっくら感やしっとり感を与えたり、こねやすさにも大きくかかわってくるので、パンの種類やその日の湿度などによって調節してあげる必要があります。作るたびにベストな水分量は違ってくるので、計量の中で水の計量が一番経験のいる作業になります。最初はレシピに忠実に計ってあげると間違いはないです。


  • イースト(酵母)

パンの風味と膨らみ方を決める発酵菌です。小麦粉の中の糖分を餌にして分裂していくことで、数をふやし風味豊かなガスをパン生地にため込んでいきます。パン作りのすべてはイーストを生地の中でどのように育てるか問うことに集約されます。イーストの発酵しやすい温度と湿度、水分の管理をしっかりしてあげることがおいしいパン作りには不可欠になります。

発酵させすぎても発酵臭がきつくなってしまったり、糖分が分解されすぎて甘みの少ないパンに仕上がったりするので、発酵の見極め方も経験によって身に着けていけるといいですね。

酵母には、インスタントドライイースト、ドライイースト、生イーストの種類がありますが、初めも頃は簡単に扱えるインスタントドライイーストを使いましょう。


 

塩にはパンの味を調えてくれる働きがあります。パンの塩味を意識することはあまりないと思いますが、塩の入らないパンはどこか味気なくまったく違う食べ物のように感じられます。また、塩はイーストの発酵を遅らせる効果があるので、発酵のスピードをコントロールする目的でも使用させています。そのため、イースト以外の雑菌が入り込んでも雑菌の繁殖を抑えてくれます。


 

パンを作る原料は少なくてシンプルです。

それぞれがお互いに影響しあって絶妙なバランスでパンができています。

このバランスが少しでも崩れてしまうと失敗する原因になります。

パンはシンプルだからこそ奥が深く、経験のいる分野です。

初めのころはパンの素材の配合からどんな食感、味わいのパンができるか多くの経験を積んでおくことが上達の近道になります。はじめのころはおいしいパンが焼けないかもしれませんが、一度パン作りの感覚を知ってしまったらきっとパンの深みから抜け出せなくなると思います。