ベタつくパン生地のこね方

東京都の上板橋でパン教室を主催しています完全感覚ベイカーです。

日々、色々なお客様と接していると「パンのこね」に関してよくわかっていないとおっしゃる方がとても多いです。

そこでこの記事ではパンのこね方についてポイントをわかりやすく解説していきます。

目次

  • ベタつきやすい生地とベタつきにくい生地
  • ベタつく生地のこね方
  • まとまるまでの3ステップ
  • 動画でこね方を確認する
  • 粉を足してまとめるのはNG

ベタつきやすい生地とベタつきにくい生地がある

まずは生地がなぜベタベタするのか、わかりやすく例をあげて解説していきます。

ベタつきやすい生地の特徴で真っ先に思い浮かぶのが、水分が多くてベタベタするということです。

特にバゲットや食パンがそれに当たります。

また、水の量が少なくても副原料の影響でベタつきやすい生地もあります。

それが菓子パン生地やブリオッシュ生地です。

特に日本の菓子パンの生地は砂糖の割合が多くそれがベタつく原因になります。

またブリオッシュのように水の代わりに卵や牛乳を使ってまとめる生地もグルテンの成形が阻害されるのでベタつきやすくなります。

ベタつきやすい生地

・バゲット

・食パン

・菓子パン

・ブリオッシュ

一方でベタつきにくい生地もあります。

ベーグルやプレッツェルのような固く弾力がある生地は使用する水分量も比較的少なく、こねていてもあまりベタつくことはありません。

一方でぎゅっと詰まった食感にしか仕上がらないため、ふわふわした柔らかさのある食感のパンを作りたい場合は多少ベタベタするのは避けて通れないでしょう。

ベタつきにくい生地

・ベーグル

・プレッツェル

・グリッシーニ

・花巻

ベタつく生地のこね方

どんなにベタつく生地でも繋がりの成分の「グルテン」が作られれば必ずまとまってきます。

グルテンができるために必要な要素は主に3つ。

「小麦粉」「水分」「圧力」

この3つが揃うとグルテンができてベタベタした状態を克服できます。

生地をこねるときは手のひらの一番力の入りやすいところで生地を押しつぶすようにこねていきましょう。

手にベタベタくっつくのが気持ち悪くても、手の掃除はほどほどにして最初はひたすら生地に圧力をかけ続けつことに集中しましょう。

また、なるべくたくさんの生地を重ねて押しつぶすようにすると効率的に生地がまとまってきます。

まとまるまでの3ステップ

こね始めの頃は手にも台にもくっついてボソボソしている生地ですが、こね続けていくと次第に変化してきます。

1、生地の繋がりななめからになってくる

ここ段階ではまだベタベタを強く感じると思います。

まだ生地に圧力をかける段階なので、引き続きこね続けていきましょう。

2、台についていた生地が剥がれるようになってくる

こねていて弾力と重たさを感じてくると、作業台にべったりくっついていた生地が剥がれるようになってきます。

ここまでくるとこねあがりまでは間近です。

生地によっては依然としてベタベタくっつくと思いますが、手を綺麗に掃除したりカードを使って台をキレイにしたり、カードを使ってまとめて「グルテンの向き」を揃えてあげるとくっつくのはだいぶ軽減されます。

3、表面が滑らかに整う

生地はまとまっていても手にくっつくことがあります。

それは手に残っている生地と本体の生地がグルテンを作るからです。また、台にベタベタくっつくのも台に残っている生地と本体の生地がグルテンを作るからです。

生地の表面がバサバサ荒れている状態では特にくっついてきやすいので、滑らかに表面を整える必要があります。

カードを使って慣らしたり、生地を転がしたり、叩いて表面を張ってみたり・・・

生地の柔らかさによって多少扱いは変わって来ますが、生地にしっかり弾力があって伸ばしてみても滑らかさがあれば、生地の表面を整えると必ずまとまって来ます。

動画でこね方を確認する

ここまで生地がまとまる原理とプロセスをご案内して来ましたが、実際に文字だけで理解するのは難しいかと思います。

パン作り系のYouTuberとして動画でわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしていただけたら上達すること間違いなしです!

粉を足してまとめるのはNG

先日、パン作り初めての方がレッスンにいらっしゃってこんな会話をしました。

ベイカー
ベイカー

ちょっと水分の割合が多いので頑張ってこねてまとめていきましょうね。

初心者
初心者

こんなにベタベタくっつくなんて、家なら粉を足してしまいます。

確かに粉を足すと生地のベタつきは抑えられてまとまりが良くなります。

しかし、パンのレシピは粉の量を基準にしてレシピが作られているので、粉の量を勝手に変えてしまうとレシピそのもののバランスが崩れてしまいます。

例えばカレーを作る時も勝手に水の量を増やしてしまうと味が薄くなったり、具材の割合が少なくなったり、レシピを作った人の意図に反する仕上がりになってしまいます。

また、粉を増やすと仕上がりのパンはパサつきやすくなってしまいます。

粉に含ませたい水分の割合が少なくなるので、固い仕上がりになってしまいます。

米を炊く時でも、米の量を増やしたら同時に水の量も増やすのが常識ですが、パンの場合も同様なのです。

粉を足すデメリット

1、レシピのバランスが崩れる

2、仕上がりのパンが固く乾燥しやすくなる

パンは料理以上にどんな材料をどんな割合で加えるかで生地の質感や仕上がりの状態が大きく変わってきます。

何かの量を増やしたら単純にその味が濃くなるなんてそんな単純なものではないです。

初心者であればまずはいろんなパンを作って、この配合ならこんな感じの生地でこんな食感のパンができるんだなと自分の中の経験値を上げていくと、よりパン作りが深く楽しめると思います。