一発でわかる!オーバナイト法

オーバーナイト法についてはいろんなサイトで情報は手に入りますが、いまいち初心者にはわかりにくいなと感じます。

私もオーバーナイト法を動画にしようと思い、調べていても、肝心なところがわからない!

一晩寝かせることはわかっているんだけど、

生地の作り方はどんな配合がいいのか?とか、

どこまで生地を作ったら寝かせるのか?とか、

どんなパンを作るときにオーバーナイト法がいいのか?とか、

知りたい情報を手に入れるのに苦労しました…

ということで、この記事では、世界一シンプルにわかりやすくオーバーナイト法を解説することを目標に書いていこうと思います。

オーバーナイト法とは

オーバーナイト法とは、読んで字のごとくこねあげた生地を一晩寝かせて、次の日以降に成形焼き上げをする製法です。

オーバーナイト法のメリットは大きく3つ。

1.作業を分割できるので時間が確保できない時でもパンを作れる。

パンを作るとなると、早いとされるストレート法で作っても2〜3時間くらい時間がかかります。

所要時間だけでみるとオーバーナイト法の方が時間はかかりますが、作業を日をまたいで分割できるので、まとまった時間がなくても作れると言うメリットがあります。

また、作った冷蔵発酵生地は最大でも48時間くらい寝かせても使えるので、作れるのが2日後とかでも大丈夫です!

2.前もって生地を発酵させているので、発酵が早く、風味が良い。

生地を長く寝かせることのメリットは水和と熟成にあります。

小麦粉は時間をかけて浸水すると芯まで水分を吸って離しにくくなります。つまり長い時間をかけて作るパンはしっとり感が持続しやすいのです。

また、小麦には水を加えるとデンプンを糖に分解する自己消化酵素が働きます。そうすると、生地の中に甘みが増え、味わい深いパンに仕上がります。

酵母もゆっくりと穏やかに発酵させることで、生地の環境に慣れてきます。すると作業に移った時もよく発酵するようになります。

3.リッチな生地やバターの折り込みなど、生地温度が高いと作りにくいパンに適している。

オーバーナイト法は別の名を低温発酵法とも言います。

例えばバターを織り込む生地や、バターや砂糖の多いリッチな生地は生地温度が高いとベタついて扱いにくくなります。

これが、低温発酵法させた冷たい生地なら難なく折り込みや成形ができるようになるのです。

オーバーナイト法に使う生地

オーバーナイト法はどんな生地でも使うことのできる製法です。フランスパンを作りたいなら、レシピ本に書いてあるフランスパンのレシピを、食パンを作るなら食パンのレシピ通りで作ればオッケーです。

ただ、一点だけ補足を加えるなら、イーストを少なめにします。

というのも、このオーバーナイト法は発酵させている時間が長いので、その間にイーストが生地中で増殖して仲間を増やすからです。

目安としてレシピの分量の1/2でいいかと思います。(ベーカーズパーセント0.5%くらい)

オーバーナイト法手順

STEP.1
生地を作る
通常通りに生地を捏ねます
STEP.2
発酵させる
大きさが2倍くらいになるまで温かいところに置いておきます。
STEP.3
冷蔵庫にGO
この時冷蔵庫の温度が4℃以下だとイーストの活動が著しく低下するので、理想は5〜10℃の範囲が1番適切です。
STEP.4
12時間〜48時間寝かせる
寝かせる時間が長ければ長いほど発酵が進むので、酸味が強くなります。
また、保存の際には衛生面を気にかけましょう。異物などが混入すると雑菌が繁殖する事があります。

STEP.5
生地を使うときは室温まで戻してから使う
生地が冷たいままでは2次発酵でのふくらみが悪くなるので、生地が20℃くらいになるまで室温に置いておきます

STEP.6
ガス抜き、ベンチタイム
STEP.7
成形
STEP.8
最終発酵
STEP.9
焼成

冷蔵庫から出して室温に戻してからは、ストレート法の作り方と一緒なので一度やってみるととても簡単なことがわかると思います。

まとめ

オーバーナイト法はフランスのパン職人が過酷な労働環境と労働時間をどうにか改善するために考え出された製法だと言われています。

より手数を少なくして、それでも美味しいパンを作れる究極の製法なのです。

実際にこの製法で作ってみると、やっぱりパン作りには時間をかけることが大事なんだと思い知らされます。

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