焼き上がりが残念なパンは二次発酵(ホイロ)に問題あり!?

パンを焼いても、思った以上に膨らまなかったり、亀裂が大きく入ってしまって残念な仕上がりになったことはないでしょうか?

パン作りは生地が上手に作れても、焼き上がりが残念な結果になってしまったら、全てが残念になってしまいます。

そこで今回は仕上がりの状態を大きく左右する二次発酵について詳しく解説していこうと思います。

二次発酵(ホイロ)の主な役割

二次発酵は焼いたパンがどれだけ膨らむかを決める大事な工程です。

生地は焼く前に発酵させることによって、イーストの発生させるガスで次第に大きくなっていきます。

そのガスが多いほど、生地はスポンジ状になって軽く柔らかい食感になります。

反対にガスが少ないとパンの中に空洞が少なくなるので、歯ごたえのある重たいパンになります。

つまり、二次発酵でパンの大きさや食感が決まってしまうのです。

パンが膨らむ要因とは?

パンを焼いた時に膨らむ要因は主に2つです。

1.イーストの発酵

イーストは50度くらいまで発酵を続けるので、オーブンに入れてもしばらくの間は発酵を続けています。

つまり、焼成の温度が低いと50度以上になるまでに時間がかかるので膨らみやすくなります。(コールドスタートと呼ばれています。)

反対に、高温で焼き上げると、イーストが膨らます大きさは少なくなります。

ここでのポイントは、二次発酵は発酵のピークの手前で終わらせることです。

そして、発酵のピークが焼いている時に調節することで、ボリューミーなパンを焼きあげることができます。

仮に、二次発酵でピークを過ぎてしまうと、イーストの活性も下がっているので焼いても大して膨らまなくなってしまいます。

2.水分の膨張

60度を過ぎる頃にはイーストが死滅するので、発酵による膨張は終わります。

そして、65~90度付近になると水分を含んだデンプンは糊化して柔らかい状態になります。

(ちなみに、デンプンは水分を多く含んでいるほど、柔らかい状態の時間が長くなります。)

その後、生地が熱されて100度付近になると、生地中の水分が水蒸気に変化して生地を押し上げていきます。

生地が柔らかいうちは、この水蒸気によって生地は大きく膨らんでいきます。

さらに加熱されると、生地は固まってくるので膨張は終わります。

バゲットなどは霧吹きで表面を湿らせたり、オーブンにスチームを入れることで、生地の柔らかい状態を長くしてボリュームを出しているパンと言えます。

二次発酵の時間による焼き上がりの変化

二次発酵が短い場合

生地中のガスが少ないのでボリュームの少ないパンに仕上がります。

小さなサイズに生地が詰まっていることになるので、むっちりしてしっかりとした存在感があるパンになります

つまり、ベーグルやピザ生地を作る場合などは二次発酵を短くするとぴったりの食感になります。

注意点としては、生地の中に気泡が少ないと火通りが悪くなるので、焼き時間が短いと生焼けになったりもします。

さらに、生地を休ませる時間が短いと生地が引き締まったままになってしまうので、亀裂が入りやすくなります。

二次発酵が長い場合

生地の中にたくさん気泡が作られるので、その分ボリュームが出やすいパンになります。

また、パンの体積のほとんどが空気なので口当たりは軽くて口どけの良いパンになります。

一方で、水分が抜けやすくなるので、外側の部分(クラスト)は固くなりやすいです。

トーストにするような山型食パンなど軽さを出したいパンなどは、二次発酵を長めにすると良いかもしれません。

パン作りに正解はない

焼成前の二次発酵に焦点を当てて解説をしてきましたが、何が正解といものではありません。

人それぞれ好みが違うようにパンの作り方もそれぞれあっていいと思います。

大切なのは、固定概念に縛られず自分なりのパンに挑戦していくことだと思います。

それで、失敗したとしても、学びはあるし、そうやっていかないとパンを作る感覚は磨かれていきません。

理論を知って、実践に落とし込むほど、パン作りは楽しくなっていくので、ぜひ参考にしてみてください。

二次発酵の検証を動画で確認する

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