自家製レーズン酵母の作り方

パン作りをしていると、色々なことにチャレンジしてみたくなります。

「今度はこのレシピを作ってみようかな」とか、

「国産の小麦粉って美味しいのかな」とか、

そんなパンの好奇心の中でも、一度は思い立つけどなかなか実行に移せないのが自家製の天然酵母だと私は思います。

実際に私自身、何となくはやり方はわかるけど、ちゃんとはわからない。

調べてみてもあんまり情報がない・・・

そんなことを長年思っていました。

でも、一度手順を覚えてしまうととってもシンプルなことだったんです。

今回はコツや手順について解説していきたいと思います。

材料や道具を揃えましょう

保存容器

酵母を発酵させるための容器がまずは必要です。

家庭の趣味でパン作りをする場合なら、容量が500ml~1000mlくらいあればいいでしょう。

また、保存容器は煮沸殺菌ができるようにガラス製のものか、耐熱性(100度以上)のあるプラスチックの容器などを揃えておきましょう。

基本的に一つの酵母につき一つの容器で作れますが、ライ麦や小麦粉などから起こす種の場合は容器の移し替えが必要になるので、余分に持っておくのもいいかもしれないです。

レーズン

種おこしに使うレーズンはオイルコーティングがされていないものを使いましょう。

オイルコーティングされていないのもは基本的にはパッケージに記載されていることが多いですが、オイルコーティングされているものは記載がない場合もあります。

わからなければ、売り場の店員さんに聞いてみるといいでしょう。

ちなみに、オイルコーティングがされていると種を起こしている途中でオイルが浮いてきたりして、酵母の育成の邪魔になってしまうという理由があります。

種起こしには浄水がミネラルウォーターを使いましょう。

一番短にある水道水は衛生管理の点から雑菌が繁殖できないように0.1ppm以上の濃度の塩素が含まれています。

水道水を使ってしまうと、酵母菌も塩素の影響を受けて育成が困難になってしまいます。

作り方の手順

容器の煮沸殺菌

種起こしで一番重要なのは雑菌を入れないということです。

容器に何らかの雑菌が付着していたらそれだけで失敗につながります。

ガラス製の容器を使う場合は、十分に大きさのある鍋に水を入れてガラス容器も一緒に加熱していきます。

沸騰したところにガラスを入れると急な温度変化で割れてしまうことがあるので注意してください。

プラスチックの容器には85度くらいの熱湯を注ぎ入れて、1分ほどおいておくと十分に殺菌ができます。

その後、清潔な布巾などで水気を切ってから使いましょう。

アルコールでの除菌は?

オススメできません。

アルコールの成分や揮発したものが残っていると酵母菌にとっても毒になってしまうので、煮沸での殺菌がベターだと思います。

レーズンと水を入れる

殺菌が終わった容器にレーズンと水を入れます。

レシピの目安は

レーズン:水  = 1:3

の割合で作ります。

容器の容量と相談しながら、例えばレーズンが100gなら水は300gといった感じです。

この時、使う水は30度くらいのぬるま湯を使うと早く種起こしが進みます。

作業自体はこれで完了です。

酵母菌の発酵しやすい温度は28〜35度の間なので、そのあとはあるべくあたたかところに置いておきましょう。

(ちなみに直射日光に当てると紫外線で酵母が死んでしまうので直射日光は避けてください。)

12時間に1回酸素を入れる

酵母菌は酸素を利用して増殖していきます。

12時間に1回のベースでかき混ぜたり振ったりして空気を入れましょう。

そうすると早く種おこしができます。

経過の目安

種起こしが完了するまでのチェックポイントを段階定期に見ていきましょう。

1段階目:レーズンが水分を吸って大きくなっていく(1〜2日目)

2段階目:少しずつレーズンが浮いてくる(3〜4日目)

3段階目:炭酸ができてくる(5〜7日目)

開けた時に炭酸飲料みたいにシュワシュワっとなっていたら種起こし完了です。

種起こしをしている温度によって大きく違ってくるので、あくまでも目安として覚えておいてください。

使い方

まずは元種を作りましょう

種起こしできたものを、果肉がザルでこして液体だけにしておきます。

これを初穂といいます。

初穂でもパンは作れますが、発酵力など安定性がないので扱いがとても難しいのでここでは元種を作って使う方法をご案内します。

安定した酵母にするために、初穂と同じ量の小麦粉を加えて発酵種を作ります。

(例えば濾過した初穂が300gで元種を起こすなら、小麦粉も300g使います。)

それを6〜12時間ほど室温においておくと生地が発酵して気泡が上がってきます。

発酵した生地はその後冷蔵庫で半日寝かせておくと発酵力が安定して使えるようになります。

この安定して使いやすく加工した状態の発酵種を元種と言います。

元種の状態であれば冷蔵庫で10日くらいは保存ができます。

パンにはどれくらい入れればいいの?

元種を使う目安は粉量の30%以上使われることが多いです。

発酵力や元種の状態によって左右されますが、35~40%を目安に使うのが使いやすいと思います。

今回の元種も作り方なら、重量の半分は小麦粉で半分は水分なので、それをベーカーズパーセントから差し引けば、イーストを使ったレシピでも天然酵母バージョンに置き換えることができます。

(また、別の記事で詳しく解説しますね。)

種継ぎで無限に増やせる!

使っていくうちに元種が減っていったり、時間が経って元気が無くなった時には種継ぎをして増やしたり、発酵種をリフレッシュさせることもできます。

今回紹介しているレシピでは、小麦粉:水分=1:1で発酵種を作っているので、小麦粉と水を1:1で混ぜたものを加えると、それを栄養分にまた増えていくので、増やすことも、元気な状態に戻すこともできます。

(例:元種30gを増やしたいので、小麦粉100gとミネラルウォーター100gを加えて混ぜ合わせる。作った生地を温かいところに半日おいて、2倍くらいの大きさになったら、冷蔵庫で保存する)

(種継ぎする発酵種の量が多ければ早く元種はできるし、少なければ時間がかかります。)

そんな感じで簡単に永続的に使っていくことができます。

動画で作り方を確認する

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