軟水と硬水:水質がパンに与える影響とは

ブログを読んでいただいてありがとうございます。

今回の検証は軟水と硬水を使ってパンを作り比べてみました。

パン作りでは、水は小麦粉の次に多く入る材料なので、水の違いでパンが変わるのはなんとなく想像がついていましたが、今までなんとなくでそのままにしていました。

今回の検証を通して、水がパンにどう影響するのか、いくつかのヒントが得られたので、この生地で共有したいと思います。

軟水と硬水の違いって?

まず、結果を報告する前に軟水と硬水の違いを解説していきます。

軟水と硬水は、水にどれだけマグネシウムイオンとカルシウムイオンがくっついているかで分類されています。

一般的に天然水などは地上に降り注いだ雨が地中に染みて濾過され、それが綺麗になった状態で地上に湧き出たものです。

そのろ過の工程で、地中にあるミネラル分が水に溶け出します。(ここでのミネラルはマグネシウムとカルシウム)

120mg/L以上それらのイオンを含んでいたら硬水、それ以下なら軟水という区分になります。

軟水の特徴

軟水はミネラル分が少ないので、柔らかくクセのない味わいが特徴です。

水と結びついているものが少ないので、出汁などの風味などを香り高くする効果などがあります。

主に日本の水質はほとんどが軟水で、普段買う国産の天然水は軟水だと思って良いでしょう。

硬水の特徴

少し金属臭いようなクセがあるのが特徴です。

ミネラルを多く含んでいるので、飲むとミネラル補給にもなります。

ヨーロッパなどの水質は硬水が多く、肉料理などに向くという特徴があります。

日本で売ってる天然水だと、コントレックスやエビアンなどが硬水です。

パン生地に与える影響は?

硬水

生地がとてもまとまりやすく、引き締まる力が強いです。

硬水中のミネラルが生地のつながり成分のグルテンを引き締める効果があるので、弾力の強い生地ができます。

発酵後も、大きく膨らみます。

今回は食パンで検証しましたが、大きく焼き上げたいパンには硬水を使うのも良い選択かなと思いました。

軟水

生地がまとまりにくく、いつまでもベタベタした状態です。

グルテンは塩分などが入ると強くなるのですが、軟水に含まれている塩分などは極微量なので、まとまりが悪くなります。

発酵後も生地のハリが弱く、大きさも硬水に比べてあまりでていません。

生地も芯がないような手触りで、終始柔らかさがありました。

や食感の違いは?

硬水

クラスト (耳)の部分の食感が硬めで、噛めば噛むほど小麦の旨味を感じるような味わいでした。

クラム(うちがわ)の部分、引きが強くハード形なパンを思わせる食感でした。

全体的にパンの弾力が強いので、トーストにしたり、又はハード系のカンパーニュやバゲッドにすると最大限に力を発揮してくれると思います。

軟水

生地の柔らかさとしっとり感するのが特徴でした。

クラストも柔らかさがあり、トーストをしなくてもきちんと旨みが感じられるパンに仕上がります。

軟水は生食パンや、クリームパンなど生地の柔らかさをウリにするパンを作るときに向いています。

編集後記

水の違いは以前から、パンのレシピで硬水と指定されている時から気になっていました。

実のところ、軟水と硬水の差なんて無視してもいい差だとも思っていました。

それはある意味、

「実際にパンを作る200gくらいの量のためにわざわざ硬水を買って、余ってもあまり飲まないし。」

という自分の心の中の声を正当化するためでもあったかもしれませんでした。

でも、実際に作り比べてみて、その差が実際にどんな差なのかが分かったことは大きな発見でした。

ガチでフランスパンを作るとき以外はやっぱり、これまで通り浄水を使おうと思います。

ちなみに、いつも使っているのはブリタの浄水器です。普段の飲み水や料理にも使えて意外と便利でオススメです!

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