【パン作り】上白糖・水あめ・はちみつの効果を比較して解説します。

パン作りに良く使われる砂糖やはちみつ。それらの糖分はパンの味を甘くする以外にパンの乾燥を防止したり、しっとりさせたり、焼き色をつけたり、さまざまな働きをします。

そしてこの記事では、パンに使う甘味料の代表の上白糖・水あめ・はちみつの働きの違いを比較して解説していこうと思います。

この記事を読み終わる頃には、パン作りに使われる代表的な糖分の使い方が理解できるようになっているはずです。

パン作りにおける糖分の効果

糖分の共通の働きとして大きく4つあります。

1、生地を甘くさせる

MEMO
これが一番イメージしやすいと思います。糖分が入れば入るほどパン生地は甘くなります。

2、保水性を向上させる

MEMO
糖分は水分を抱え込む性質があります。
ただの水の状態だとすぐに蒸発して無くなりますが、水あめや蜂蜜などは水の状態よりも水分が蒸発しにくいです。
パンの材料に使うことでパン生地の水分を糖分が抱え込んでしっとりさせてくれます。

3、焼き色をつける

MEMO
パンに焼き色がつくのは、生地中のアミノ酸と糖分が熱によって化学反応を起こすからです。(メーラード反応)
つまり糖分の入る生地ほど焼き色がつきやすく、入らない生地ほど焼き色がつきにくくなります。

4、イーストの発酵を活発にする

MEMO
イーストは糖分を栄養にして発酵をします。
砂糖が入らない生地でもイーストは小麦粉のデンプンを酵素で分解して糖にして栄養を獲得できますが、分解から利用するまでに時間がかかるので、直接糖分が入る生地は発酵が早く進むようになります。

こねてる時の違い

今回は食パン1斤の量で糖分を10%加えて作り比べてみました。

上白糖

上白糖の入らない生地と比較すると、生地中の水分を引き出す性質があるので、多少ベタついた感じになります。

ただ、水あめやはちみつと比較するとベタつきも少なくこねやすい生地でした。

水あめ

水あめは約20%ほど水分を含んでいるため、生地のべちゃべちゃ感は上白糖よりもはるかにありました。

手や台にくっついてまとめるまで一苦労です。

また、糖分は80%しか含んでいないので単純に上白糖とレシピを置き換えることはできないですね。

使うときは水分を少し減らして、上白糖よりも多めに水あめを使う必要があります。

はちみつ

はちみつも水あめ同様、水分量が20%ほど含んでいるので上白糖の生地よりもベタつきがありました。しかし、水あめよりも比較的簡単にまとまった印象です。

仕上がりの違い

上白糖

焼き色がしっかりついて甘味も強いパンに仕上がりました。

焼き色が強い分、小麦の焼けた香ばしさと食感のある耳が特徴的でした。

水あめ

焼き色が薄くボリュームが若干小さめのパンに仕上がりました。

焼き色が薄い分、耳まで柔らかくソフトな食感のパンになりました。

生地はしっとり感が強くて柔らかさとウェット感がありました。

焼き色をつけたくない白パンを作るときなどにぴったりの糖分ですね。

はちみつ

焼き色もほどほどについて、甘さの加減もとても自然でした。

他の素材の風味を邪魔することなく調和していて甘味と風味のバランスがいいパンに仕上がりました。

また、しっとり感は上白糖以上水あめ未満のような感じです。

こちらの動画からも内容が確認できます。