酒種の魅力について
イーストという便利な材料があるのにわざわざ酒種を使う必要があるのでしょうか?
その疑問を解決するために、まずは酒種の魅力を知っていただいてから作る気持ちになっていただけたら嬉しいです。
1、クセが少なくどんなパンとも相性が良い
2、スーパーで揃う身近な材料で作れる
3、発酵力が強く生地が膨らみやすい
酒種は日本人に合ったパンが作れる
酒種は日本人のパンのルーツ
明治時代でまだパンが日本人に馴染みがなかった時にイーストの香りは日本人にとって特殊な物でした。
そこで、日本人に馴染みのある発酵菓子の温泉まんじゅうからヒントを得て酒種とあんこを使ったパンを作りました。
それが一躍大人気商品になり、明治天皇に献上するまでになりました。
その人気は時代を超えても衰えず、銀座木村屋の酒種あんぱんは令和の今も人気商品の一つです。
いわば日本人のパンのルーツとも言える酒種。
もちろんあんぱん以外にもハードパンや食パンにしても風味が良いパンが作れるので幅広く使いやすい天然酵母です。
用意する材料
材料 | 合計使用量 |
米麹 | 150g |
炊けたご飯 | 300g |
水 | 300g |
・米麹は冷凍のものでも乾燥タイプのものでもどちらでもOKです
・炊けたご飯は冷ましてから使いましょう(熱いと菌が死んでしまいます。)
・水は浄水または天然水など水道水以外を使うのがおすすめです!
(水道水には塩素が入っているので菌が増えにくくなってしまいます)
作業日程
米麹・・・50g
炊けたご飯・・・100g
水・・・100g
を清潔なビンに入れて温かいところに48時間を目安に放置する。
米麹と炊けたご飯が浮いてきて、お米の一部が溶けたような状態になります。
細かい気泡がちょっとだけできてきます。
この時の香りはほんのり甘さを感じるくらいです。
(まだ発酵した酸味やアルコールの香りは感じないと思います。)
完成した1番種・・・50g
米麹・・・50g
炊けたご飯・・・100g
水・・・100g
を清潔なビンなどに入れて1〜2日放置します。
・ボコボコと大きな気泡が目立つようになってきます。
・この時からビンの蓋を開けた時に「プシュ!」と言い出すと思います。
(密閉されていないとガスが逃げてしまうので音が鳴らないことがあります。)
・甘い香りの中に少しだけ酸味を感じる香りになると思います。
完成した2番種・・・50g
米麹・・・50g
炊けたご飯・・・100g
水・・・100g
を清潔なビンなどに入れて1日ほど放置します。
・ビンの蓋を開けると発泡して細かい泡が吹き出すようになります。
(溢れ出るくらいまで活性が上がっていたらいい感じ!吹きこぼれに注意してください)
・しっかりとしたアルコールのような香りを感じることができます。
・蓋を開けても絶え間なく気泡がポコポコで続ける状態になります。
冷蔵庫で7〜10日ほど保存が可能になります。
冷蔵庫の設定温度が高いとその分発酵が進んでしまうので、早めに種継ぎするのがおすすめです。
冷えた状態だと気泡が少なく感じるかもしれませんが寒くて休眠しているだけなので温かくなるとまた元気に気泡を出します。
長く保存しているとどんどん環境が悪くなるので、種次をする必要があります。
また、少なくなった酒種は継ぐことで増やして半永久的に使い続けることができます。
完成した酒種・・・50g
米麹・・・50g
炊けたご飯・・・100g
水・・・100g
を清潔なビンなどに入れて1日ほど放置します。
種継ぎ完了の目安は3番種完成の状態と同じです。
種次の目安は酒種が完成してから冷蔵庫での保存期間が7〜10日ほど経ってからが良いと思います。
酒種を作る時に一番大変なのが1番種から2番種に移行する初期の段階です。
生き物の活動なので思い通りのスケジュールで行かないことも多いですが、気長に変化するのを楽しみながら待ってみてください。
次回の記事では天然酵母でパンを作る時のレシピの組み方について解説して行こうと思います。
イーストのレシピを天然酵母に置き換える方法