パン教室の開業の仕方 〜自宅で開業?物件を借りる?〜

都内で予約が取れないパン教室を運営している著者(完全感覚ベイカー)が実体験をもとにこれからパン教室を始めたい方に向けておそらくためになるであろう情報をざっくばらんに語っていこうと思います。

今回のテーマはパン教室を自宅でやるのか、物件を借りるのかについてそれぞれのメリット、デメリットを解説していきます。

自宅でパン教室をやる

<メリット>

・費用が抑えられる

これは大きいメリットです。物件を契約したり内装を整えたり備品を購入する必要がないので大きなお金がかからず比較的に手軽に始められます。

ちなみにパン教室を始める時は保健所の許可などは必要ありませんが賃貸の場合などは商用利用できる物件か確認する必要があります。

・固定費がかからない

物件を借りるとなると当然毎月の家賃が発生してきます。その点自宅であれば家賃やローンなどの住宅費で済むのでプレッシャーはだいぶ減ると思います。そしてお教室をいざ辞めるとなった時も自宅で自分のタイミングで辞めることも可能でしょう。

<デメリット>

・プライベートとお教室の区別が大変

お教室を始めたてのときはほとんどのお客様が知らない人だと思います。どんな人が来るかは会うまでわかりません。そのような人に自分が生活している空間に招くのは人によっては抵抗があるかと思います。

また、チラシやネットなどで集客をするときには住所や電話番号の公開するのは難しくなると思うのでその点がデメリットだと私は感じます。

・設備や広さの制限がある

大豪邸に住んでいる人以外は自宅(おそらくリビング?)に何人もお客さんを呼んでパンを教えるのは難しいでしょう。せいぜい2〜4人くらいが限界かなと思います。そして、オーブンをおける台数にも限りがあるかと思います。一回あたりのレッスンで2人あたり教えるのと6人教えるのでは売り上げに3倍もの差が出てきます。

もちろん同じ時間働くのであれば売り上げは高い方が良いかと思います。

・家族の協力体制が必要

もちろん自宅というのは同居する家族にとって日々の疲れをとり、心身を癒すための空間です。そこに家族以外の出入りが頻繁にあるというのは部屋を分けるとしても真に心休まる空間でなくなってしまうかもしれません。

それ以外も冷蔵庫やレシピを作るための試作の時間なども同居する家族の理解と協力なくしてできるものではないと思います。

店舗物件を借りる

<メリット>

・レッスンでできることが増える

私の運営している教室は物件を借りて運営していますが、一番メリットに感じていることがパン作りに快適な環境を整えられていることです。パンをこねやすい広さが確保できていて作業台の高さや天板の材質もパンをこねるのに最適なものを選んでいます。お客様がお家でパンを作る以上に快適な空間を提供できているのでパン作りに集中できたり、上達の手助けができていると感じています。

また、レッスン専用の発酵機や冷蔵庫があることで自家製酵母の仕込みができたり、マンションなどと比べると昼夜問わずご近所迷惑などをあまり気にせず作業ができます。(選ぶ物件によっては使用時間などが制限されているものもあります。)

・集客しやすくなる

駅近や繁華街など人が多く集まるところに物件を借りればその分お客様の来店はハードルは下がります。人通りが多い場所であれば看板などでも知ってもらえる機会も増えます。また、住所や電話番号などを公開しているパン教室の方がお客様は安心感を持ってレッスンに参加ができます。またテレビの取材や書籍の撮影なども自分の店舗であれば柔軟に対応できるのでいろんなチャンスを掴みやすいと感じています。

<デメリット>

・とにかくお金がかかる

これに尽きます。物件を契約するのにもお金はかかりますし、内装を作ったり道具や機材を揃えるのにもお金が必要です。毎月の家賃もかかってきます。気軽に用意できる金額ではないのでこれが1番のハードルだと思います。

・撤退しにくい

住宅物件にしても契約条件というものあるかと思います。店舗物件も同じく契約年数や条件があります。条件次第では途中解約ができなかったり、違約金が必要になるので気軽に辞めることができなくなります。

実際に物件を借りてお教室を運営してみて感じること

私は実際に物件を借りてパン教室を運営しています。

30歳になったことを機に「人生の節目だ!」なんて思って思い切って自分の店を持ちました。

スケルトンという何もない状態で借りて、内装業者さんにお願いして壁を作り、床を敷き、電気や水道を通してゼロの状態から作りました。

もちろん、自己資金だけだと足りないので融資して頂いてお金を工面しました。

いざ自分のイメージする店舗が完成するとやはりとても嬉しい気持ちになりました。

でも実際にお教室の運営を始めてみると毎月の家賃はとてもプレッシャーに感じていましたし、売り上げが立っていないときには気分が落ち込むことも多かったと思います。

こればっかりは性格とかストレス耐性の話になってくると思います。(ストレスをプラスの力に変えられる人には向いているかもしれないです。)

売り上げが安定してくると心も平安が保たれますし新しいことにもチャレンジができるようになりました。

一人ひとりにゆとりあるスペースを確保できて一人1台オーブンが使える環境を揃えられたのはパン作りを教える身としてはとても満足感のあるレッスンができています。

多くの自宅パン教室では定員が2名とかでやっているのをみると、それよりも多くの方にパン作りの喜びや楽しさを伝えられているのも自分の店舗があったからだと思っています。

まとめ

自宅開業に向いている人

  • 家計の収入が別にあって趣味でパン作りを教えたい人
  • 家族の理解と協力が得られる人
  • パン教室での収入にまだ見込みが立たない人

物件を借りた方が良い方

  • 開業資金があって見込み顧客がいる方
  • 時間と体力の多くをパン教室の運営に注ぎ込める方