材料
- 準強力粉(リスドォール) 300g(100)
- 塩(ゲランド塩) 6g(2)
- 水(浄水) 240g(80)
- インスタントイースト(赤サフ) 1g(0.3)
粉の旨味と発酵した芳醇な風味を感じられるようにシンプルな配合にしてみました。一晩しっかりと時間をかけて水和させた小麦のモチモチ感と時間をかけて低温で発酵させた優しい風味が感じられる配合です。
工程
ミキシング (混ぜて15分休ませる)×3回
一次発酵(30℃、60分)
長期低温発酵(5℃、12〜18時間)野菜室がオススメ
分割(1個180g)
ベンチタイム(10分)
成形
二次発酵(30℃、60分)
焼成(240℃、18分)
オーバーナイト法とは
今回使うオーバーナイト法は本来バターや卵を多く使うリッチな生地と相性が良いとされています。生地をこねずにまとめられるので、食感が軽くなり、バターなどの風味を際立てることができます。
バケットというパンは使う材料がシンプルなので、発酵時間を長くすることで小麦中の旨味を時間をかけて作ることが美味しさのポイントと言えます。また、小麦粉に水を加えてしばらく置いておくと、2つの結びつきが強くなってモチモチ感が強い生地に仕上がります。時間をかけないと出せない旨味をきちんと使っていきたいからこそ、今回はオーバーナイト法を採用しました。
生地の扱い方
副原料を一切使っていないので、通常のバターなどの油脂の入る生地と違って、生地が作るグルテンは繊細で脆いものになります。
グルテンを保護するクッション代わりの油脂が入っていない生地を強い力で引き伸ばしてしまうと簡単にちぎれてしまいます。
グルテンが痛んだ状態ではその後の発酵や膨らみ方が悪くなってします。
生地が薄い膜で覆われるように、なるべく優しくソフトタッチで生地を扱うことがポイントになります。
切り込みを入れるワケ
バケットには必ずと言って良いほど切り込みが入っています。それには大きく3つの効果があります。
- 生地内部の圧力の逃げ道を作ることによって、膨らみ方が棒状に綺麗になります。
- 切り込みがあるとその分火通りが良くなり、ボリュームが出やすくなります。
- デザイン性。綺麗に切り込みが入っていたらかっこいいですよね!
フランスパンの食感の特徴
外側がバリッとしていて、中がもっちりしている食感はフランスパン独特ですよね。
その食感のポイントは焼く直前でオーブンの中をスチームで満たすことです。
生地表面が水滴で覆われることによって、焼いた時に生地が薄く伸びるようになります。
その薄さが皮のバリッとした食感を作っています。
中のモチモチは、生地を作る際に時間をかけて小麦を水和させたからこそできます。時間をかけて水分と結びついた生地は、強く水分を抱きしめているので、加熱しても簡単には蒸発しません。
食べごろ
焼きたてから粗熱が取れて約3時間が一番美味しく食べられます。
8時間が過ぎる頃には乾燥が進むので美味しさは減少していってしまいます。
なるべく焼いたその日のうちに食べるのがベストです。
また、カットするときもクープを入れたところからきちんとナイフの刃を引っ掛けて切るのが一番切りやすくて綺麗にカットできます。