東京都でパンとお菓子の教室を運営しているYouTuberの完全感覚ベイカーです。
今回は湯種食パンのコツをテーマに解説をしていきます。
正直に言って湯種食パンのボリューム不足の問題は私もかなり悩まされてきました。
色々と試行錯誤した結果、いくつかうまくいくパターンというのがわかってきたのでシェアさせていただきます。
湯種パンが膨らまない原因と解決策
グルテンが不足している
湯種に限らず、「パン ボリューム出ない」で検索してみるとこね不足という結果が出てくると思います。
確かにこねが少ないとボリュームが出ませんが、生地の配合などによっては捏ねてもあまりボリュームが出ないパンがあります。
グルテンが作られる量は使う小麦粉の種類や他の材料によってあらかじめ決まっているので、もし十分に捏ねているのにボリュームが出ないなと感じている方は以下の方法を試してみてください。
グルテンをどれだけ作ることできるかどうかは小麦粉の種類によってかなりばらつきがあります。
例えば国産強力粉の春よ恋ではグルテンの原料になるタンパク質が11%くらいであるのに対して、カメリヤでは12%ほど。
たった1%の差でもかなりボリュームが変わってきます。
ボリュームを出したいパンの場合は特にタンパク質量が多いものを使うのをおすすめします。
具体的な商品名で言うと「ゴールデンヨット」がおすすめです。
タンパク質量がおよそ13.5%と高く、副原料としてグルテンのつながりを助ける増粘剤やビタミンCが添加されているので、こねるのが苦手な方でも簡単にボリュームが出やすくなります。
この小麦粉に変えただけでボリュームの問題が解決することも結構あります。
ボリューム不足で悩んでいる方は今使っている小麦粉を見直してみると良いでしょう。
グルテンがたくさん作られる小麦粉に変えても捏ねができていないとボリュームが出にくいことがあります。
グルテンができる方程式は
小麦タンパク質+水+圧力=グルテン
なのでこねることが必至になります。
あまり捏ねられていない生地は表面がぼこぼこしていたり、滑らかさがなかったり、粉っぽい質感をしています。
もちろん配合にもよりますが、食パンの生地であれば薄い艶やかな膜ができることが多いです。
捏ね方や力加減にもよりますが、私がレッスンで1斤サイズに湯種食パンを作った際には捏ね時間を25分捏ねて、それからバターを入れて5分、湯種を入れ8分を目安に捏ねてることを意識しました。
確かに捏ね時間や回数が少ないと明らかにボリューム不足な仕上がりになることもあったので、30分以上は捏ねた方が良いと感じています。
グルテンが弱いと膨らみが悪くなるばかりか、焼いた時に発酵後よりも小さくなることがあるので、最終発酵後の状態できちんとツヤとハリがあるのが理想的です。
普段作っていて生地が緩すぎるなと感じる場合は特にこねを頑張ってみてください。
湯種とパン生地を合わせて作るパンに関して、湯種の割合が多すぎるとボリュームは出にくくなります。
ボリュームを出す上でグルテンが大切なのは前述しましたが、グルテンは加熱されると伸縮性を失ってしまうので、湯種に使った小麦粉のグルテンはもうグルテンとして働きません。
結果、湯種の割合を多くするとパン生地のグルテンが相対的に少なくなるのでボリュームが出にくくなるのです。
では、どれだけの割合の湯種を使えばいいのでしょうか。
私のオススメは20〜30%の割合で使うことをです。
あまり湯種を少なくしてしまうとそもそも普通のパンとあまり変わらなくなってしまうので、最低限の量は必要ですが、以上の範囲の中で自分のレベルに合わせて割合を決めてみてください。
ポイントは湯種の割合が少ないほどボリュームが出やすく、多いほど出にくくなります。
以上のことをやってみてもやっぱり普通の食パンよりもボリュームが出にくいのが湯種食パンです。
それでもなかなかボリューム不足が解決しないと言う方は生地の量を増やすと解決につながります。
とはいえ、あまり増やし過ぎても生地が詰まって重たくなったり、生焼けのリスクがあるので多くても10%くらいを目安に生地量を増やしてみてください。
湯種のレシピについては私の書籍やYouTubeに掲載しているのでぜひ手に取ってみてください。