イーストを多くして発酵を早くしてみた

寒い季節のパン作りは発酵がなかなか進まなくて苦労しますよね。全然大きくならない生地を見て、「イーストを多くすればもっと発酵が早くなるんじゃない?」って思った経験があるのではないでしょうか。

ということで今回は、パンに使うイーストの量を増やして食パンを作り比べてみました。

今回の検証の内容

イーストの量をこなに対して「1%」「2%」「3%」の量を入れて作り比べてみる。

1、イーストの量を増やすと発酵の進み方は早くなるのか

2、イーストの量で出来上がりのパンに違いがあるのか

この2つにテーマを絞って検証をしてみました。

この疑問が明らかになれば、発酵の遅い冬場でも快適にパンが作れるようになるし、夏場はもっと早くパンが作れるようになるのではないでしょうか。

ちなみにイーストの使い方としては粉に対して1%前後で使うのが一般的で、少なければ少なほど風味の良いパンができると言われています。

それではそれぞれの生地の変化を見てみましょう。

手順

1、3斤分の生地をまとめてこねます。

1斤ずつこねると時間がかかりすぎるのと、生地のこね方の差が出てきてしまうので、今回はまとめて3斤分こねてから、3つに分割してそれぞれにイーストをてんかして行きたいと思います。

3斤分の生地がこちら。

なかなかこの量を一気にこねることはないので大変です。

2、生地がまとまってきたらイーストをそれぞれに添加します。

インスタントドライーストの正しい使い方は小麦粉と混ぜて使うのですが、今回は邪道な使い方をしているので、あまりオススメはできません。

イーストを混ぜてこねても、どうしても溶け残りができてしまいます。特に2%、3%を添加する生地はなおさらです。

イーストは水に溶けて初めて活動を開始するので、溶けていないイーストは全く発酵しません。(入っていても無駄です。)

やっぱりイーストは最初から入っていた方が発酵しやすいということがわかります。

3、それぞれの生地を28℃で発酵させて変化を見てみます。

発酵時はそれぞれを同じ大きさのボールに入れてボールの高さまできたら発酵完了として判断します。

はじめに発酵が完了したものはイーストを3%入れたものでした。(28℃ 50分)

時間を置いておけば溶け残ったイーストも溶けるだろうと思っていましたが、まだ溶け残りが目立っています。

やっぱりイーストの後入れと発酵させる温度が低いと3%入れても溶け残りがあるとそこまで発酵のスピードは上がらないなというのが印象です。

香りに関しては一次発酵が終わった段階ではそこまでイースト臭がきついなと感じなかったです。

他の気付いた点としては、生地が少しカサついている感じがしました。

イーストを増やすと生地が乾燥しやすいのかなと思います。

次に発酵が終わったのは2%添加した生地。(28℃ 65分)

どちらかといえば、こっちの方がちょっとしっとりしているような感じはします。

そして最後はイースト1%の生地。(28℃ 95分)

生地のしっとりさで言うと一番しっとりしていますね。(食パンの場合は水分を多めに使うので、この状態が普通なのですが…)

この後全ての生地はベンチタイム〜成形と同じステップを踏んで最終発酵をさせます。

4、最終発酵後の変化を見てみます

一番最初に発酵が終わったのはやっぱりイースト3%入れた生地です。(28℃ 50分)

最終発酵が終わってみて、感じるのがやっぱり匂いがイーストの香りが強いなってところ。あとはツンと鼻の奥を刺すようなアルコールの香り。

まさに過発酵させてしまった生地と同じような状態になっていました。

次に発酵が終わったのは2%添加の生地。(28℃ 70分)

温度が低いとやっぱり発酵に時間がかかりますね。(イーストの量よりも温度を管理する方が発酵が早いのかも…)

匂いに関しては3%よりも臭わないかな〜って感じです。

そして最後はイースト1%の生地の発酵が完了しました。(28℃ 150分)

発酵時間が長すぎてパンを作っているのを忘れてしまうくらい。笑

発酵器を買う前はこんなにも時間がかかっていたんだななんてしみじみ昔を思い出していました。

発酵の状態としてはいつも通りの言うことなしの状態です。

それでは生地を焼いていきましょう。

5、焼成後の比較をしてみる

焼成時間はどのパンも同じで200℃で22分。

3%のパンの味はと言うと…

まず一口目の乾燥はパサついたパンだな〜ってことです。

噛んでいくとイーストの匂いを強く感じで、アルコールのような刺激のある香りが口の中に広がります。

決して旨みや心地よい感じではなくて、食べようと思えば食べれるなって感じです。(好んでは食べないですね。)

続いては2%のパン

こちらは3%に比べたらだいぶ食べられるものになっています。

でもほのかにイースト臭が口の中に充満してきます。

ジャムやピーナッツクリームなど味の濃いものと合わせるとそこまで気にならないのかなと思います。

決してシンプルな食べ方には向かないかなって言うのが正直な感想です。

続いては1%のパン。

うん!こちらはいつも食べている感じの食パンです!

味も香りも良くて、小麦などの素材の風味もしっかりと感じることができます。

まとめ

1、イーストの量を増やすと発酵の進み方は早くなるのか

→確かに発酵は早く進む

2、イーストの量で出来上がりのパンに違いがあるのか

→イーストが多いほど生地は乾燥して香りも悪くなる

結論!

イーストの量は少なくして、発酵させる温度を管理することで発酵のスピードをコントロールしましょう。

以前にも発酵器がない場合の発酵のさせ方の動画を作っているので見てみてください。

そしてこの際に発酵器を買ってみようかなって方のために私の使っている発酵器のリンクも記載しておきますね!