バターをたっぷり使うデニッシュ生地とかを作るとき、バターの代わりにマーガリンを使った方が安く作れるのになって思ったことはないですか?
実際にマーガリンはバターと同じようにクロワッサンに使えるのでしょうか?
今回はその疑問を解決するために、実際にバターとマーガリンの2種を使ってクロワッサンを作り比べてみました。
そもそもバターとマーガリンの違いは?
バターとマーガリンの違いを一言でいうと、「使っている原料が違う」ということです。
バターの場合は原料は牛乳を使っています。そしてバターの基準は乳脂肪を80%以上っていることです。
この基準は日本の法律できちんと決められています。
そして、マーガリンの原料は主に植物の油が使われていることが多いです。
というもの、マーガリンはどんな油脂でも80%以上使われていればOKなんです。
だから、一番原料費が安い植物油が使われています。
でも、通常のサラダ油やオリーブオイルなどはサラサラした液体状です。
でも、マーガリンは固形ですよね、それはなぜでしょうか?
マーガリンは液体油脂を人工的に固めている
植物などの液体油脂は不飽和脂肪酸という種類の油ですが、その中に水素を人工的に結びつけることでマーガリンのような固形の状態を作ることができるのです。
ちなみに、マーガリンは近代にフランスでバターが不足した際、当時の大統領ナポレオン三世がバターの代替え品として作らせたものです。
バターとマーガリンの性質の違い
バターにもマーガリンにも可塑性という性質があります。
この可塑性は形を自在に変えられて、その形をキープできる性質のことを言います。
可塑性があるらこそ、パンが生地がしなやかに伸びたり、シート状になってデニッシュの生地ができたりします。
バターの場合はこの可塑性のある温度が13~18℃と言われています。
マーガリンはこの可塑性をもつ温度は10~30℃と言われていて、バターよりも柔らかい状態の幅が広いです。
(だからマーガリンの方がパンに塗りやすくて伸びやすいです。)
マーガリンを織り込んでみて気づいたこと
マーガリンはその柔らかさゆえに、生地の中でマーガリンだけが伸びでしまいました。
生地に油脂が吸収させているのか、あんまりシート状に伸びている気がしません。
また、柔らかすぎて生地を突き破って外に出てきてしまいました。
バターの場合はきちんと冷やしてさえいれば、きちんとシート状に伸びて生地が荒れることはほとんどありませんでした。
発酵の進み具合
これは完全に私の不注意だったんですが、実はマーガリンには食塩が添加されていました。
塩分が多いと発酵がしにくくなるのでボリュームがあんまり出なかったです。
(なんの表記もなかったので気付かなかったです。)
発酵がおかしいなと思って成分表示を見て初めて気付きました。
マーガリンを使う場合には成分表示を意識してみるようにしようと思いました。
焼きがりの違い
仕上がりのクロワッサンの断面を見たら、その違いは一目瞭然でした。
バターの方はきちんと渦を巻くように気泡が入っていました。(これぞクロワッサン。)
しかし、マーガリンの方は気泡の入り方が全然違いました。
食感としてはまるでスコーンやパートブリゼのようなカリッとしているところとしっとりしているところでムラがあるような感じでした。
気泡の入りも少なかったので、重たい印象の仕上がりです。
結論
バターと同じようにマーガリンを使うことは難しいと思います。
まず、生地の中で綺麗にシート状にすることは中々の至難の業だと思います。
食感も重たくなってしまうので、きちんとしたクロワッサンを作る時はバターを使うことを強くおすすめしたいと思います。