せっかくパンを作ったのに次の日にはパサパサになっていた経験はありませんか。
今回はパンの老化について少し掘り下げて解説しようと思います。
パンの老化とは
パンの老化とはパンの中に含まれる水分が抜けて乾燥したり、澱粉の成分が固く変化することです。
もちろん焼きたてから時間が経てば経つほどパンは乾燥するし、固くなっていきます。
でも、いくつかの方法を使えば老化を遅らせることができます。
老化しにくい保存方法
パンには老化しやすい温度があります。それは0〜4℃の間です。冷蔵庫の温度帯が老化しやすいです。
つまり、パンの保存は冷蔵庫よりも常温がいいと言うことです。
また、焼いてから2日以内に食べ切らないパンは冷凍保存することがおすすめです。
冷凍してパンに含まれる水分を凍らせてしまうと老化を防ぐことができるからです。
冷凍してパンを保存すると2週間から1ヶ月ほど日持ちさせることができます。
実際にパンの通信販売などは冷凍でパンを届けた方が美味しいと言う職人も多いです。
パンの冷凍の仕方、食べ方
パンの冷凍の基本は食べる分だけ小分けで密閉して冷凍です。
食パンであれば食べる分だけスライスして密閉袋に入れて冷凍です。
食べるときは常温で自然解凍した後、軽く霧吹きで水分を補ってからトースターで焼きましょう。
パンの柔らかさを決めるデンプンは加熱すると再び柔らかくなる性質があるので、温めた方がパンは柔らかくおいしく食べられます。
この方法なら焼きたての状態をある程度再現できるのでおすすめです。
老化しやすいパン、しにくいパン
パンの種類や作り方によっても老化のしやすさは変わります。
例えば、油脂を使わずに高温で水分を飛ばして作るバゲットなどは美味しく食べられる期間が短いです。
反対にブリオッシュなどの卵や油脂を多く使うパンは比較的美味しさが長持ちします。
油脂は生地中の水分の蒸発をブロックしてくれるからです。
また、短い時間でパンを作るストレート法は老化が早く、時間をかけて作る中種法やオーバーナイト法は老化しにくいとされています。
作る時間が短いほど小麦粉の給水がすくなくなり、その分早く乾燥します。
一方で時間をかけて作るパンはきちんと小麦粉が芯まで水分を吸って結びつく(水和する)ので乾燥しにくいとされています。
つまり、老化のしやすさはパンを作る材料や製法の影響も受けるということです。
老化しにくいパンを作る
パンに使う材料や製法を変えるだけで長持ちさせることができます。
例えば、油脂や卵を多めに使ったり、保水性のある水飴やはちみつなどのを使うと柔らかさが持続します。
また、湯種法を使えば生地に沢山の水分をいられるので、もちもち感と柔らかさが続くようになります。
前述の通り、中種法やオーバーナイト法を駆使することで日持ちしやすいパンを作ることもできます。
たとえ手作りのパンであろうと、作り方次第で美味しさを長持ちさせることができるので、気になる方はぜひ他の記事も読んでみてください。
編集後記
「家で作ったパンはすぐに固くなってしまいます」と言うコメントをよくいただくことがあります。
家で作るパンが乾燥しやすいのではなくて、乾燥しやすい作り方をしているだけなのです。
作り方や材料でパンの状態が変わるのなんて知らなければずっと知らないままです。
固くなってしまう悩みを持っている方は、その解決方法があるよ!ってことを伝えたくてこの生地を書いてみました。
この情報が誰かの希望の光になれば嬉しいです。
完全感覚ベイカー