バナナをたっぷり入れても、きちんと膨らむシフォンケーキの作り方

シフォンケーキはシンプルな材料で作れるお菓子作りの定番メニューです。

シンプルな作り方だからこそきちんとポイントをおさえないと失敗してまうケーキでもあります。

特に水分の多いバナナを使う時などは膨らまなかったり、大きな空洞が空いたりと失敗しやすくなります。

そこで今回の記事ではバナナをたっぷり使ってもきちんとふくらむレシピと作り方をご案内いたします。

本日のレシピ

バナナは約75%が水分なので、よりたくさんバナナを使うために水や牛乳を入れないレシピになっています。

より濃厚でまろやかなバナナの味が好きな方にはぴったりです。

作り方

1、バナナを計量してフォークでピューレ状にする

使うバナナは良く熟れた柔らかいものがおすすめです。

つぶす加減はざっくりでOKです。

2、オーブンの予熱を入れます(160℃ 45分)

シフォンケーキは生地が完成してから焼き上げまではスピード勝負です。

すぐに焼けるように予熱は生地を作る前に準備しましょう。

(予熱の際には天板を下の段に入れておきましょう)

3、卵黄の生地を作ります。

卵黄3個分と卵白4個分はボールを別にして分けておきます。

a、卵黄を軽くハンドミキサーでほぐしたらグラニュー糖を入れて白っぽくなるまで混ぜます。

卵黄にしっかり空気を含ませることで火通りが均一になり、この後入る材料も混ざりやすくなります。

b、サラダ油を加えてハンドミキサーで混ぜます。

卵黄にはレシチンという水と油を結びつける(乳化させる)作用があるので、混ぜるときは油と卵が一体になるイメージを持ちましょう。

c、バナナを入れてハンドミキサーで混ぜます。

バナナの目的は味と水分です。

バナナの水分を生地全体と馴染ませるイメージで低速で混ぜましょう。

ここでの見極めは水っぽさや油っぽさがなく生地全体に一体感があることです。

d、薄力粉をふるい入れて切り混ぜをします。

ふるって使うことで小麦粉の粒子が独立するので水分を吸いやすく均一に混ざりやすくなります。

全体をざっくり合わせることで軽い食感のケーキになります。

(小麦粉は練るとグルテンという粘り成分ができるので重たい食感になります。)

混ぜ終わった状態

4、メレンゲを作ります

メレンゲのポイントは砂糖を3回に分けて加えることです。

砂糖は保水性が強いので、最初に一気に入れると水分を持っていかれて泡立ちが悪くなります。

しかし、泡立った後に砂糖を入れると泡を潰れにくくする働きをします。

だから、メレンゲ作りでは砂糖を入れるタイミングがとても重要になるのです。

a、まず卵白だけ低速で泡立てます。

ハンドミキサーの羽に軽く泡が乗っかる状態で、落ちた泡に立体感があり2秒後にすぅっとなくなる状態が理想的です。

b、分量の1/3のグラニュー糖を加えてさらにハンドミキサーで混ぜます。

全体を満遍なく泡立てていくと次第に白さがはっきりとしてきて光沢が出てきます。

固さが出てきてメレンゲを持ち上げた時にツノが立つくらいまで泡立てます。

c、ツノの先端が曲がる固さになったら残り半分の砂糖を入れます。

入れてすぐの状態では砂糖が水分を吸うので水っぽさが出てきますが、そのまま混ぜていくと再び光沢があってツノが立つ状態になります。

d、再びツノが立ったら残りの砂糖を全部入れます。

メレンゲの完成の目安は曲がらない短いツノがツンと立つ状態です。

横にしたりひっくり返しても落ちてこないくらいが理想系です。

ここまでくれは生地の完成です。

5、メレンゲと卵黄の生地を合わせます。

生地は濃度を近付けると混ざりやすくなります。

a、まずはメレンゲの約1/3を卵黄の生地に入れて2つの生地の濃度を近付けます。

そうすることで残りのメレンゲの泡が残りやすくなりよく膨らむ生地になります。

b、卵黄の生地をメレンゲのボールの中に入れて泡を潰さないようにさっくり混ぜていきます。

軽いメレンゲの上に重い生地を乗せると自然と沈んでいくのでより簡単に混ざるようになります。

ここでの一番のポイントは泡を潰さないように均一の混ぜることです。

泡が膨らむ元なので潰してしまうと膨らまなくなってしまうのと同時に混ぜなさすぎて塊ができると大きな空洞になってしまうので注意が必要です。

完成した生地

6、全体の質感が均一になったら型の中に流し入れます。

低い位置から泡を潰さないイメージで入れていきます。

入れ終わったら何回か台の上にトントンと優しく叩きつけて大きな気泡を潰していきます。

この時に凸凹だった表面は平になります。

7、160℃に予熱したオーブンで45分焼きます

空気を多く含むほど熱の伝わりが悪くなるので、シフォンケーキは低温でじっくり焼くのが基本です。(ダウンジャケットが寒さを伝えにくいのと同じ原理です。)

また、シフォンケーキは型に張り付きながら大きくなっていくので、型には油を塗らずに生地がくっつきやすい状態にしておきましょう。

(紙の型が一番膨らみやすいので初心者にはおすすめです!)

シフォンケーキの型の中心が空いているのも生地が沈むことなく膨らむようにするためです。(あとは熱を通しやすくするため。)

8、焼き上がったケーキは逆さまにしてしっかり冷まします。

焼きたての状態では型にくっつくことでやっと形をキープできているので、冷めて生地が安定してから型を取るようにしましょう。

編集後記

ケーキ作りはまさに科学!シフォンケーキを作るたびに思います。

材料が少なくて安くできるお菓子の定番ですが、シンプルなものほど突き詰めていくと難しいですね。

誤魔化しが効かないからこそ、きちんとプロセスを理解して一つ一つクリアしていく必要があります。

ケーキは正直だから、きちんとできたときの報われた感覚がケーキ作りの醍醐味かなと私は思っています。

完全感覚ベイカー

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