スポンジ生地の砂糖を減らしたら大失敗する理由を解説

ケーキを作る時に入れる砂糖の量にびっくりしたことはないでしょうか。

見る見るうちに積もっていく砂糖をみると計量器が合っているのかと心配になるくらいですよね。

そこで今回は誰もが一度は思ったことある「砂糖を減らしてもケーキは作れるのか?」という疑問を解決していこうと思います。

共立て法のレシピ

材料分量
卵(Mサイズ)3個分(150g)
グラニュー糖90g
薄力粉90g
溶かしバター(無塩)30g

共立て生地の手順のおさらい

1、全卵をボールに入れて40℃くらいになるまで湯煎で温める

2、グラニュー糖を加えて泡立てる

3、薄力粉をふるって混ぜる

4、溶かしバターを混ぜる

5、型に流し入れてオーブンで焼く


このレシピをもとに以下の3つの方法を試してみたいと思います。

1、レシピ通りに砂糖を入れる

2、レシピの半分の砂糖で作る

3、砂糖を全く入れないで作る

泡立ち方の違い

1、レシピ通り

白さと光沢があってしっかりとした強い生地になりました。

2、砂糖半分

きちんと泡が立ちましたが少し黄色っぽい仕上がりです。

質感は光沢が少なくちょっともそもそしているように見えます。

3、砂糖なし

レシピ通りに比べると、水っぽい質感がほとんど感じられずに表面が荒くなっています。光沢も少ないですね。

ここまででわかるのは砂糖が入っていない状態でも、泡立つことは泡立つということ。

焼く直前の状態

それでは薄力粉とバターを加えた状態で比較してみます。

1、レシピ通り

持ち上げた生地がつながってひらひらと落ちていきます。(リュバン状)

途中でちぎれることなくほとんど同じような幅で落ちていきます。

2、砂糖半分

かろうじてリュバン状は確認できますが、生地同士の繋がりが弱くてすぐにちぎれてしまう感じです。

生地の色も黄色っぽくて空気の含み方はレシピ通りと比べると少ないです。

3、砂糖なし

生地にほとんどつながりがなくてすぐにちぎれていきます。

光沢も少なくてバサバサした印象です。

空気も音を立てて抜けていくのでボリュームもかなり少ないです。

焼き上げた結果

見た目の違いが大きさにはっきり現れました。

砂糖の割合が少なくなるほどボリュームが小さくなります。

表面の状態も砂糖が少ないほどバサバサに乾燥していて、レシピ通りはしっとり感を感じることができました。

作っているときの感覚でも、すぐに気泡が弾けていくような感覚がありました。

食べた時の感想

1、レシピ通り

レシピ通りに作ったものは、生地が柔らかくきちんと水分を含んだしっとり感がありました。

噛むほどに甘さが徐々に口の中に広がっていって、次々に口の中に頬張りたくなる仕上がりでした。

2、砂糖半分

砂糖を半分に減らしたものはレシピ通りに比べるとちょっとパサつきがきになりました。

甘さはレシピ通りとくらべてもそこまで違わなかったと思いますが、後に残る卵の風味が結構違和感です。

ふわふわ感も少なくどっしりした重さがあるので食べにくいですね。

3、砂糖なし

砂糖なしの生地はというと、味も食感も最悪…

口の中の水分を全て持っていかれるようなバサバサ感。

気泡も含んでいないのでふわふわ感もなければ柔らかさのかけらもない。

まるでハードボイルドのゆで卵の黄身を次々に口の中に押し込められているかのよう。笑

まとめ

砂糖と聞くと「甘さをつけるもの」と一番に思いつきますよね。

でも、ケーキ作りで砂糖は甘さ以外に保水性がとても大切な働きをしてくれます。

砂糖が入ると泡立てた生地はつぶれにくくなってケーキをふんわりと仕上げてくれます。

また、たくさんの水分をキープしてくれるので食べたときにしっとりとした優しい舌触りになるのです。

料理は素材の旨みの組み合わせ方で成り立ちますが、ケーキはそれにプラスして素材の科学的な特性も大きく関わってきます。

つまり、よっぽどケーキを熟知した人でなければケーキはレシピ通り作るのが吉だということが言えます。

手順しか語られないケーキだからこそ、一つ一つの意味を理解して作るのが上達の近道であり、ケーキ作りを楽しむコツだと思います。

完全感覚ベイカー

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