「外はカリッと、中はもっちり」
まさに美味しい食べ物の常套句ですが、それにぴったりのパンが今回紹介するタイガーブロートです。
パン生地に米粉の生地をかけて焼くことで、外側は薄焼きのおせんべいのようなカリッとした食感があり、内側はパン生地のもっちり仕上がります。
この記事ではタイガーブロートの作り方や、綺麗に亀裂が入るような上掛け生地についても詳しく解説をしていこうと思います。
作り方
材料(ベーカーズ%)
強力粉 (100%)
イースト (1.5%)
塩 (1%)
砂糖 (8%)
水 (67%)
無塩バター (5%)
チーズ(45.5%)
上掛け生地
上新粉(26%)
塩 (0.8%)
砂糖 (6%)
イースト(0.4%)
水 (26%~)
溶かし無塩バター
作りやすい分量(5個分)
220g
3g
2g
17g
147g
11g
100g
作りやすい分量(5個分)
52g
2g
12g
1g
52g~
7g
作り方のポイント
1、パン生地はシンプルでモチモチした配合
今回はチーズを包み込んで焼くので、パン生地の味はシンプルにしました。
また、強力粉だけで作ることによりモチモチした食感になるので、外側のバリバリな生地との食感のコントラストを意識しました。
2、チーズをたっぷり包み込む成形の方法
どんな具材でも応用ができるような包み込みの方法を使っています。
この方法を覚えておくと、アンパンやカレーパン、クリームパンなどにも応用が利くようになっています。
3、上掛け生地の作り方
上掛け生地の使う上新粉はメーカーによって吸水率が違うことがあるので、目で見て良い状態が判断できるように解説します。
この上掛け生地の固さが綺麗に亀裂が入るために要になるので特に重要です。
工程
ミキシング

バターとチーズ以外のパン生地の材料をボールの中でまとめて、生地をこねていきます。

生地に弾力が出てきたら、転がしながら、表面が滑らかになるまでこねていきましょう。
生地を伸ばした時に薄い膜が張るようになったら、バターを入れて再びこねていきます。

バターが入ると生地は一時的に脆くなりますが、馴染んでくるまでこね続けます。
表面が滑らかになってハリと弾力が出てきたら、発酵させます。

一次発酵(35度 40~50分)
発酵させるときは生地が乾燥しないように濡れ布巾やラップをかけておきましょう。

生地の大きさが2倍になったら、発酵完了です。

(発酵器などがなくて、温度管理ができない場合は大きさを見て発酵の見極めをします。)
上掛け生地を作る
上掛け生地の材料をボールに入れてかき混ぜます。
この時の理想の生地の状態は、ボールの底に線が少し残る程度です。

生地を落とした時にはひらひらとつながって生地が落ちていくくらいの濃度です。

水や上新粉を足して、この状態になるまで調節しましょう。
上掛け生地ができたら、温かいところで気泡がプツプツとできるまで発酵させます。
(35度で30分くらい、常温において同じ状態になるまで発酵させてもOKです。)
発酵させた後は使う時まで冷蔵庫で保存しておきましょう。
成形
発酵の終わったパン生地はガス抜きをして5個に分割します。(1個およそ80g)

分割した生地は丸く形を整えて、10~15分ほど休ませておきます。(ベンチタイム )
チーズを包んでいきます。
生地は12cmくらいの円形に伸ばします。この時、中心の部分が少し分厚くなるようにしましょう。
チーズ(1個につき20g)を中心において、

上下、左右の対角線で包んでいきます。

生地が中心に集まったら、肉まんを作るようにつまんで閉じます。

閉じたところを下にしておいておくと、発酵した時に膨らむのでとじ目のシワはある程度消えます。

すべての生地の成形が終わったら、二次発酵させます。
二次発酵(35度 30~40分)
生地を発酵させる時は乾燥しないようにラップや濡れ布巾をかぶせておきましょう。
二次発酵では、発酵のピークの手前で終わりにします。
発酵のピークを焼成時に調節することで、焼きた時の膨らみが大きくなるので、「トラ」の模様が出やすくなります。
発酵終わりの生地の状態としては、大きさが、1.2~1.倍くらいの大きさで、程よくハリがあるのが理想的です。

二次発酵の終わった生地に、上掛け生地をかけていきます。
薄く伸ばすというよりかは、パン生地の上に乗っけた上掛け生地が自然と全体に広がるようにしてコーティングしてく方が、ムラができにくいです。

全ての生地にコーティングができたら、210度に予熱をしたオーブンで焼きましょう。
(二次発酵中にタイミングをみて予熱を入れておきましょう。)
焼成(210度 18~22分)
タイガーブロートは表面の上掛け生地が最初に加熱されて固まった後にパン生地が膨らむことで、上掛け生地が割れて「トラ模様」ができます。
つまり、上掛け生地の柔らかさと、焼いた時にきちんと生地が膨らむ状態にすることがポイントです。
上掛け生地:ボールの底に線が引けて、すぐに塞がるくらいのとろみ
パン生地:焼き上げ直前の状態で、膨らんで入るけど、ハリがある状態
これが、守れていたら成功するはずですよ。
また、上掛け生地は焼き色がついてからは焦げやすいので、頻繁にオーブンの中を見ながら必要であれば、パンの場所を入れ替えるのも綺麗にやくポイントです。
