パン作りの最大の特徴といえば「発酵」です。
パンは料理ほど味の組み合わせやレパートリーが少ない分、素材の使い方や発酵のさせ方がとても重要になってきます。
家庭でパンを作る分には専門的な知識はそこまで必要ないかもしれませんが、なんとなくでも発酵について知っておくと、パン作りの楽しさも変わってくると思います。
そこで、この記事では一般的な家庭でできる発酵の方法をご紹介していくのと同時に発酵について説明をして行きたいと思います。
発酵ってどんな現象?
発酵とは、酵母菌がパン生地の成分を分解して旨味を作る一連の流れのことを言います。
酵母の作るガスによってパンの中に気泡が作られてふわふわな食感になったり、いい香りがついたりします。
反対に悪い菌が入って食べ物を分解して腐らせることを腐敗と言います。
食べる私たちからしたら、その違いは大きいですが、菌が増えていくというプロセスほとんど同じなのです。
どちらも菌の働きが大切になるのですが、ズバリ、発酵のコツはどれだけ酵母菌を上手に育てることができるかということなのです。
発酵はいつ、どのようにするのか。
イーストが発酵できる温度は約4~40度と言われています。
つまりよっぽどの極地でない限り、イーストはどこでも発酵することができます。
その中でも35~40度で発酵がより活発になります。
だから、一般的なレシピはこの温度帯での発酵を推奨していたり、部屋の温かいところに置いておきましょうと書いてあります。
生地が温かいと発酵が早く進むので早くパンを作ることができるのです。
レシピの温度を守らなくてもパンは失敗することはありません。
生地の状態や発酵完了の状態が自分で判断できれば、お風呂場でも、こたつの中でも、保温中の炊飯器の上でも、どこでも発酵させることができるのです。
冷蔵庫で発酵させるレシピは何なのか?
温かい温度でよく発酵するのであれば、冷蔵庫で寝かせるレシピがあるのはなぜでしょうか。
それは時間をかけて発酵させることによって風味や旨みの成分が作られるからです。
ざっくりとしたイメージは
発酵に時間をかけるパン=旨みが強い
反対に温かい温度で早く発酵をさせるパンはイーストの活性がとても高いのでガスを作りやすくふっくらしたパンができるのです。
短い時間の発酵=ふっくらしたパン
そんな認識を持っていると、発酵のさせ方一つで自分のイメージしたパンを作れるようになります。
家でできる発酵のさせ方
電子レンジ
もし電子レンジンに発酵の機能があれば、温度と時間を管理しやすくなるので、手間もかからずに発酵をさせることができます。
唯一の欠点としては、二次発酵のとき予熱を入れなくてはいけないので、生地は逆算して二次発酵から取り出さなくてはいけないことですね。
冬場であれは、二次発酵が終わる5分前に、夏場であれば10分前に取り出して室温に置いておくと良いでしょう。
湯煎発酵
鍋などにぬるま湯(40度くらい)をはって、生地の入ったボールをチャポンとつけておけばOKです。
そうすると生地が温められて発酵が早く進みます。
また気温が低い時はタイミングをみてお湯を足して温度が下がらないようにしましょう。
同じ原理で沸かしたてのお風呂場に置いておくのも良いかもしれません。
こたつの中
夏の気温が高い時に発酵に苦労することはほとんどありませんが(部屋に置いておけばよく発酵するので)、気温が低い時期はなかなか生地が発酵しないので大変です。
その時はこたつの中に入れたり、ホットカーペットの上に置いておくことも効果的です。
こたつの中の注意点としては蹴っ飛ばさないようにすることですね。
まとめ
結局、どんな場所であれ温度が一緒であれば発酵の仕方に違いはありませんでした。
部屋の温かいところを探して、置いておけばおOKです。
発酵は1分や1秒とかで大きく変化するものではないので、そこまで神経質にならないことも大事だったります。