
「コストコ」のマスカルポーネロールや「俺のBakery&Cafe」のマスカルポーネと蜂蜜の食パンなど、パン作りの現場でマスカルポーネチーズがよく使われているなと感じることが多くなりました。
日本ではあまり馴染みがなく、スーパーでも手に入りにくい食材のマスカルポーネチーズ。
今回の記事では、マスカルポーネチーズを使うとどのようなパンに仕上がるのかを分析していきたいと思います。
しっとり感
マスカルポーネを使うメリットでまず考えられるのが、パンがしっとりとすることです。
成分分析を見てみると、圧倒的に脂質が多くなっています。
つまり、生クリームやバターのような働きをしてくれることがわかります。
(風味があっさりしている分、生クリームに違い使い方になると思います。)
パンの中に油脂が多くなると、水分の結びつくことができる(乳化する)ので、パサつきが抑えられてしっとり仕上がるようになります。
仕上がりのイメージとしては生食パンのようなしっとりもちもちの食感を出したい時に使える食材ですね。

また、卵と組み合わせることでブリオッシュのような濃厚な味わいを出すこともできます。
発酵力
また、マスカルポーネは発酵食品なので、Phは酸性に傾いています。
パンを発酵させる酵母は酸性の環境の方が活性が上がるので、発酵も早くなります。
インスタントドライイーストを使うパンではより短い時間で発酵させることができます。
また、発酵の遅い天然酵母などに使っても、とても相性が良い食材ですね。
風味
なんと言っても、マスカルポーネのクリーミーな風味がパンにつくので、その香りを楽しむこともできます。
食べ方としては、シンプルな味付けにして、小麦の風味とチーズの風味が感じられるようにするのがおすすめです。
例えば、マスカルポーネを使ったパンに蜂蜜や生ハムなどをのせても、相性がバツグンなので、ちょっと上品な食事系のパンとして焼きたいですね。
向いているパン
ベーグル

むっちり感としっとり感がウリのベーグルはマスカルポーネが入ることで、しっとり感とむっちり感が強化されます。
また、食事系のパンなだけにしょっぱい系の味付けにもマスカルポーネの風味が最大限にその魅力を発揮してくれるはずです。
食パン
あっさりした風味のマスカルポーネはシンプルな食パンの良いアクセントになります。
また、食パンはもちもちした食感が好まれるので、もちもち感をプラスするにも一役買ってくれます。
白パン

白パンもシンプルな味が特徴で、食事とも合わせやすく、そのまま食べても美味しいパンです。
マスカルポーネは白い色合いも邪魔しませんし、しっとり感やふっくら感が際立ちます。
発酵が早いのでふんわり感もとても出しやすいですね!