パン作りでは実にたくさんの素材が使われます。
ヨーグルトもその例外ではありません。
この記事ではヨーグルトを使って作ったパンがどんな仕上がりになるのかを解説していこうと思います。

発酵が早くなる
ヨーグルトは牛乳を乳酸発酵させた発酵食品です。ヨーグルトをパン生地に使うと生地全体が酸性に傾きます。
実はイースト菌は酸性でよく発酵をします。
そういうわけで、ヨーグルトを使ったパンは他の生地よりも早くパンが仕上がります。
また、イーストの発酵が活発なので作り出すガスの量も多く、出来上がりのパンはしっかりと気泡が入ったふわふわの食感のパンになります。
短い時間で、ボリュームのあるふわふわパンを作りたいときに、ヨーグルトはもってこいの素材なのです。
風味に深みが増す
パン作りの主要な酵母はパン酵母(サッカロミセスセレビシア)です。
インスタントイーストなどを使って作るパンは、この一種類の酵母でしか発酵をさせないので、パン酵母一種類だけが作り出した風味になります。(これはこれでクセが少なくシンプルで食べやすいですが…)
それを考慮するとヨーグルトを使うメリットはパン酵母の風味にプラスアルファで乳酸菌の風味が加わるということです。
より複雑な風味を作り出すことができるのです。
これに関連して言えるのが、天然酵母です。
天然酵母は、小麦粉などの穀物の成分で繁殖できる菌を選別せずに使う酵母です。
つまり、乳酸菌や酢酸菌、もちろんパン酵母など様々な菌が生地の中で発酵するので、より野性味あふれる複雑な風味に仕上がるのです。
ヨーグルトを使うと「なんちゃって」天然酵母風パンに仕上がります。
生地を引き締める
ヨーグルトは元を辿ると牛乳です。
ヨーグルトは固まっていますが、基本的には牛乳と使い方は同じです。
また、ヨーグルトや牛乳は水分のほかに脂肪分や乳糖やタンパク質なども含んでいるので、それらの成分がパン生地を引き締めます。
牛乳で作る生地とヨーグルトで作る生地を簡単に表現すると、
牛乳はむっちり引き締まったパン
ヨーグルトはふんわりしているけど歯応えのあるパン
そんなふうに仕上がるように感じます。
牛乳やヨーグルトを使ったパンは、それだけで食べるよりもクリームと合わせたり、具材をサンドしたりした方がパンの良さが際立ちますね。
実際の使い方
とはいえ、すべての仕込み水をヨーグルトにすると酸味が際立ってしまいます。(ちょっここれだとクセが強すぎるかも…)
オススメとしてはヨーグルトは30%と水35〜40%とあわせて使うと使いやすいです。(ベイカーズパーセントで表記してます。)
実際にヨーグルトを使って作ったパンの中で解説をしているので、よかったらご覧になってください。