自家製ヨーグルト酵母の作り方

パン作りに使われる酵母菌というのは、実はどこにでも生息していて、空気中にもいるし、果物の表面などにも付着しています。

自然界のあらゆるところから酵母を集めて、育てて増やしたものを天然酵母と言います。

今回は私たちの身近にある食材の「ヨーグルト」を使って天然酵母を作っていきたいと思います。

材料や道具を揃えましょう

保存容器

酵母を発酵させるための容器がまずは必要です。

家庭の趣味でパン作りをする場合なら、容量が500ml~1000mlくらいあればいいでしょう。

また、保存容器は煮沸殺菌ができるようにガラス製のものか、耐熱性(100度以上)のあるプラスチックの容器などを揃えておきましょう。

基本的に一つの酵母につき一つの容器で作れますが、ライ麦や小麦粉などから起こす種の場合は容器の移し替えが必要になるので、余分に持っておくのもいいかもしれないです。

種起こしには浄水がミネラルウォーターを使いましょう。

一番短にある水道水は衛生管理の点から雑菌が繁殖できないように0.1ppm以上の濃度の塩素が含まれています。

水道水を使ってしまうと、酵母菌も塩素の影響を受けて育成が困難になってしまいます。

ヨーグルト

種おこしに使うヨーグルトはプレーンタイプのものを選ぶと良いでしょう。

ヨーグルトにはすでに乳酸菌などの菌がいるのでそれを利用して酵母を起こしていきます。

酵母には弱酸性の環境下で活発に繁殖するので、使うヨーグルトはph調整剤が使われていないののを選びましょう。

作り方の手順

容器の煮沸殺菌

種起こしで一番重要なのは雑菌を入れないということです。

容器に何らかの雑菌が付着していたらそれだけで失敗につながります。

ガラス製の容器を使う場合は、十分に大きさのある鍋に水を入れてガラス容器も一緒に加熱していきます。

沸騰したところにガラスを入れると急な温度変化で割れてしまうことがあるので注意してください。

プラスチックの容器には85度くらいの熱湯を注ぎ入れて、1分ほどおいておくと十分に殺菌ができます。

その後、清潔な布巾などで水気を切ってから使いましょう。

アルコールでの除菌は?

オススメできません。

アルコールの成分や揮発したものが残っていると酵母菌にとっても毒になってしまうので、煮沸での殺菌がベターだと思います。

材料を入れる

ヨーグルト:水:小麦粉 = 1:1:1

の割合で容器に入れましょう。

さらに発酵を促進させるために、10%量の糖分を加えておくといいでしょう。

(例:ヨーグルト100g,小麦粉100g,水100g +砂糖10gといった感じになります。)

あとは部屋の温かいところにおいておけば、必要な菌が繁殖します。

12時間に1回酸素を入れる

酵母菌は酸素を利用して増殖していきます。

12時間に1回のベースでかき混ぜたり振ったりして空気を入れましょう。

そうすると早く種おこしができます。

経過の目安

1段階目:表面に水分が分離してくる(1〜2日目)

2段階目:ヨーグルトの成分が分離してくる(3〜4日目)

3段階目:気泡が浮いて見えるようになってくる(5~6日目)

使い方

まずは元種を作りましょう

種起こしできたものを初穂といいます。

初穂でもパンは作れますが、発酵力など安定性がないので扱いがとても難しいのでここでは元種を作って使う方法をご案内します。

安定した酵母にするために、初穂と小麦粉の水分の割合が1:1になるように調節していきます。

ヨーグルトの初穂=水分が2/3(ヨーグルトと水)、小麦粉が1/3

なので、小麦粉を初穂の重量の1/3入れれば水分と粉の割合が1:1になります。

それを6〜12時間ほど室温においておくと生地が発酵して気泡が上がってきます。

発酵した生地はその後冷蔵庫で半日寝かせておくと発酵力が安定して使えるようになります。

この安定して使いやすく加工した状態の発酵種を元種と言います。

元種の状態であれば冷蔵庫で10日くらいは保存ができます。

パンにはどれくらい入れればいいの?

元種を使う目安は粉量の30%以上使われることが多いです。

発酵力や元種の状態によって左右されますが、30~40%を目安に使うのが使いやすいと思います。

今回の元種も作り方なら、重量の半分は小麦粉で半分は水分なので、それをベーカーズパーセントから差し引けば、イーストを使ったレシピでも天然酵母バージョンに置き換えることができます。

種継ぎで無限に増やせる!

使っていくうちに元種が減っていったり、時間が経って元気が無くなった時には種継ぎをして増やしたり、発酵種をリフレッシュさせることもできます。

今回紹介しているレシピでは、小麦粉:水分=1:1で発酵種を作っているので、小麦粉と水を1:1で混ぜたものを加えると、それを栄養分にまた増えていくので、増やすことも、元気な状態に戻すこともできます。

(例:元種30gを増やしたいので、小麦粉100gとミネラルウォーター100gを加えて混ぜ合わせる。作った生地を温かいところに半日おいて、2倍くらいの大きさになったら、冷蔵庫で保存する)

(種継ぎする発酵種の量が多ければ早く元種はできるし、少なければ時間がかかります。)

そんな感じで簡単に永続的に使っていくことができます。

動画で作り方を確認する

1 COMMENT

中田あゆみ

ヨーグルト発酵種に関わらず全ての元種ですが、
発酵液→+粉→元種完成すぐ使える
すぐ使わない場合は冷蔵→何日間かはそのまますぐ使えますか?発酵して元種ができ、一度冷蔵してしまったら、餌やりをしてからでないと使えないのでしょうか?

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