パン作りを続けていくと、早かれ遅かれ興味をもつようになるのが自家製の天然酵母です。
自分で酵母を育ててパンを作る感覚は何にも変えられない達成感があります。
でも、いざ酵母の種おこしをしてみると意外と天然酵母を使ったレシピがないということに気がつくでしょう。
そこで今回はインスタントドライイーストを使ったレシピでも天然酵母に置き換えて使える方法を解説していこうと思います。
(この記事では、よりわかりやすくするために私なりの解釈も含まれているのでご留意ください)
パンに天然酵母をどれくらい入れればいいの?
天然酵母の元種を使った一般的なレシピでは、その比率はベーカーズパーセントで30〜40%で使われていることが多いです。
(明確な基準がないので、自分なりに配合を変更してももちろんOKです!)
天然酵母の元種を使う比率が高くなればなるほど、発酵が進みやすくて、発酵で熟成した味わいが強くなようになります。
一方で使う比率が低くなると、発酵はゆっくりになりますが、新鮮な小麦の風味が強くなるので、フレッシュな穀物感が楽しめるパンになります。
加える比率に関しては、それぞれの好みで決められるということですね。
また、前日に生地を仕込んで翌日に焼きたいときなどは、酵母の比率を下げれば、寝ている間に一次発酵をさせるといった調節もできます。
イーストのレシピの置き換え方
元種使用の場合
さて、天然酵母の配合について知ったあとは、実際にレシピに置き換えてみましょう。
ここでは、水分:粉=1:1で元種を作った前提で解説して行きます。
例えば、の元種40g使ったパンを作るとします。
40g分の元種には水分が20g、粉が20g含まれているので、イーストのレシピからそれぞれを20gずつ減らせば同じ比率で作れるようになります。
では具体的に以下のレシピを置き換えてみますね。
- 強力粉 100g
- 水 70g
- イースト 1g
- 塩 1.2g
- 砂糖 5g
- バター 5g
このレシピを元種に置き換えると
- 強力粉 100g -20g →80g
- 水 70g -20g → 50g
- イースト 1g → 元種 40g
- 塩 1.2g → 1.2g
- 砂糖 5g → 5g
- バター 5g → 5g
このようになります。
酵母液の場合
元種を起こさずに酵母液のまま使う場合は、イーストのレシピの水分を酵母液に置き換えればOKです。
例えば、酵母液を30gを使いたい場合はこのような置き換えになります。
- 強力粉 100g →100g
- 水 70g -30g → 40g
- イースト 1g → 酵母液 30g
- 塩 1.2g → 1.2g
- 砂糖 5g → 5g
- バター 5g → 5g
元種を使ったレシピの作り方
元種を使うときに考えなくてはいけない点が、全体の粉量に対してどれくらい水分が含まれているかということです。
例えば、加水率が70%で元種40%のレシピを作りたいとします。
この場合まずは40gの元種のうち、加水を70%したと考えたときにどれだけ水分が余るかを考えます。
元種40g → 粉量 20g+ 水分量 20g (粉に対して70%の水分は14g+ あまりの水分は6g)
- 強力粉 100%
- 水 70% -6% →66%
- 元種 40%
- 塩 1.2%
- 砂糖 5%
- バター 5%
このように置き換えると全体の粉量に対して水分が70%含まれていることになります。
まとめ
数字が多くて算数の授業みたいになってしまいました。
でも、。大切なのは使う天然酵母にどれだけの水分と粉が含まれているのかを考えて、全体量と調節するという考え方です。
計算の仕方がわかれば全てのレシピを置き換えることができるので天然酵母のレパートリーの幅が無限に広がると思います。