水分量の多いパンを作るとき、いつまでも生地がまとまらなくて、心が折れたことはないでしょうか。
ちなみに私は何回もあります。笑
でも最近は無理せず簡単にまとめる方法が見つかったので、この記事で共有したいと思います。
生地がベタつくとは
ベタつく生地には特徴があります。
それはグルテンができにくいということです。
早い話、グルテンがきちんと作られていれば生地のベタベタは解消されます。
このグルテンができにくい生地にはいくつかの特徴があります。
1.そもそもグルテンを作る成分が少ない粉を使っている。
日本で売られている小麦粉にはおもに強力粉、準強力粉、薄力粉の3種類があります。
そして、この3種類はタンパク質含有量で分類されています。
強力粉はタンパク質を多く含んでいて生地のつながりが強いから強力粉。
薄力粉はタンパク質が少なく生地のつながりが薄いから薄力粉。
準強力粉はその中間です。
また、同じ強力粉でもタンパク質の量が品種によって違ってくるので、成分表示のタンパク質を見て、水分の量を変えることが重要になってきます。
2.グルテンの生成を阻害する成分が含まれている。
生地は小麦粉以外に砂糖やバターなど副原料が入ります。
その中にはグルテンのつながりを邪魔する成分も多くあります。
例えばバターなどはグルテンの間に入り込んで薄く伸びるようにします。
もちろん、バターが入る量が多いほどグルテンは薄くつながるので、生地は柔らかくなり、まとまりにくくなります。
バター以外に卵や全粒粉などもグルテンのつながりを阻害します。
3.粉に対する水分が多い。
水分を多く生地に含ませるほど、グルテンのつながりの中に水分が入り込むので、グルテンの膜は柔らかく、まとまりにくくなります。
それが失敗というわけではなくて、しっとりした生地をつくりたい時などはあえてたくさんの水分を生地に使うこともあります。
ベタつくことは悪いとこではなく、つくりたい食感などでどうしてもベタつく生地になることは仕方のないことです。
それを踏まえたうえでどのようにベタベタの生地と向き合うかを考えていきます。
グルテンができる条件とは
グルテンは小麦粉に水分と圧力を加えれば作られます。
(つまり、パンをこねる作業とはグルテンを作るための作業です。)
しっかりとこねた生地はグルテンのつながりが強くなり、よりもっちりとボリュームが出るようになります。もちもちさせたいパンはこの「こね」がとても大切になります。
また、グルテンは圧力を加えなくてもしばらく時間を置くと自然につながっていきます。(ちなみにこれがこねないパンの正体です。)
こねても繋がらないグルテンを考える
グルテンは、一緒に合わせる素材や水分の量でその強度は大きく変わります。
こねてもまとまらない生地とはグルテンの強度が比較的弱くて、強い力でこねてしまうと引き裂けてしまう生地です。
つまり壊れやすいグルテンを壊さないように、柔らかい力でふんわりこねるこね方がベストです。
つなげたグルテンをなるべく引き裂かないようにイメージしながらこねるのです。(もしくはただ軽くかき混ぜるだけにするとか。)
それをやってみると気がつくことがあります。
「軽い力ではいつまでたってもまとまらない」
と。そうです。
なかなかまとまらないのです。
休ませてグルテンをつなげる
たしかに柔らかい力でこねてもなかなか生地のつながりは出てきません。
そこで、次のステップが生地を休ませることです。(時間が経つとグルテンがつながるという特質を利用します。)
ちなみに休ませている間は生地が乾燥しないようにだけ注意が必要です。ボールをかぶせたりするのがいいですね。
これが15分も経てば弾力が出てきて、きちんとグルテンがつながってきます。
生地がつながった後のこね方
ここで注意しなくてはいけないのが、せっかくつなげた生地を引きちぎらないようにすることです。
生地をちぎらない程度に伸ばして折るこね方を繰り返して、さらにグルテンの強度を上げていきます。
軽く伸ばして叩いてこねるのがいいですね。
しばらく叩きながらこねていくと、ぷりんぷりんな状態になってきます。
グルテン膜を伸ばして薄い膜が張れば生地の完成です。
動画内で解説しているので、気になる方は見ていってください。